January 02, 2005

愛知万博

AaichiExpo.tiff
 kawaさんのブログ「Things that I used to do」で、愛知万博のことがかいてあった。それにコメントを書いているうちに、これはぼくのブログで言っておきたいと思い始めたので、トラックバックしてこのエントリーにつなぐことにした。
 万博なるものは、ぼくは1970年の大阪万博以後は2度と見ていない。それは、どんな器をつくろうともその中につめられた宝物がすてきなものでなければ何の魅力もないということを、大阪万博で教えてもらったからだと思う。万博の建築が、そこに内包されるもので「世界」を語ることができたのはモントリオールのフラードームが最後だったのではないだろうか。いまだにそれに気づかない人たちが、超高層の都市なんかをつくり続けているにちがいない。
 その意味では、kawaさんの言うように愛知万博の器が控えめであるのだとすれば、そのことはむしろ評価したいとぼくは思う。パビリオンをつくることに金をかけるより、パビリオンが土に還ることを探求し伝えるべきだと考えるからだ。
 しかし、「愛、地球博」なんて語呂あわせはいくらなんでも悲しいんじゃないか。洗練からはあまりに遠い。「愛」と書かれたシールを貼っただけでダンボ−ルの中に素敵なおくりものや「愛」などがあるとは、ぼくはどうしても期待できないのです。

投稿者 玉井一匡 : January 2, 2005 11:19 PM | トラックバック
コメント

 ぼくたちの社会では、多くの公共の施設は何かたいせつなものや活動を容れるためにうつわが作られるのではなく、まずは器をつくろうということから出発する。そのあとになって「さて何を容れようか」と考えることが大部分なのだ。しかも器をつくろうとするもともとの動機は、お金をどこかに動かすことらしい。長良川の河口堰や有明湾の干拓のような無駄な公共事業がどうにもとまらないことを見てそういうことがよくわかるようになり、身の回りにもそういうことがゴロゴロころがっているのが実感として分かるようにました。
 こんな世の中にあると、吉野杉の資料館の話にはとても勇気づけられます。もしかすると、そういう施設もそういう活動をできる人たちも多いのに彼らは声高に自己主張するわけでもないからなかなか知られないということなのかもしれませんね。だとすれば、komachiさんの出番だ。そういう人や施設を発掘するのもいいし、安藤忠雄による資料館の改造計画を勝手に募ってしまうのもおもしろいかもしれない。

Posted by: 玉井一匡 : January 6, 2005 03:00 AM

 勇気ある撤退をできた igaさんはえらい。はずかしながら、ぼくは大阪万博の会場に、期待をもちながら入っていきました。68,69年の時代を経ていながら、というよりは、だからこそこういう場と建築にも何かがあるのであれば知りたいと思ったのだと思います。
 いうまでもなく、期待したものはぼくにはみつけられませんでした。今になって思い出しましたが、あの万博には「進歩と調和」というテーマがかかげられていたんでしたね。あそこでは進歩とは常に昨日より今日、今日より明日がよくなるというような、子供の描く未来予想図なみのもので、「よいとは何か?」という問いを持たないままのものだった。すでに水俣病が発生し成田闘争やベトナム戦争が戦われていた時でありながら、その後にたどった道をみれば、「調和」とはせいぜい公害を生じさせない技術を進歩させることによってなしとげられるものであるか、あるいは力のあるものが弱いものを言いくるめたり脅したりして黙らせることだと考えられていたのでしょうね。

Posted by: 玉井一匡 : January 6, 2005 02:59 AM

昨年、吉野に杉を見に行って、すばらしい歴史資料館に出会えました。その資料館は廃校になった小学校を利用したもので、地域の林業の生活史を余すところなく伝えていました。とても感心したのはそこで案内してくれて老人が林業の体験者でどんな質問にも自分の体験を通して答えることができたことです。イギリスのナショナルトラストの精神に通じるところがあると思い、とても豊かな気持ちになって資料館を後にしました。その後、安藤忠雄設計の資料館も見ましたが、健常者でも階段が怖くて資料を見ながら安心して歩ける場所ではありませんでした。展示物を丁寧に案内してくれる人もいません。とても冷たいものを感じました。中身を忘れて箱物だけで勝負している建築がいかに多いことか、そのためにいかに無駄なお金が使われていることか。建築家の仕事は箱をつくることで中身は関係がないということをいう建築家がいますが、僕はそれは詭弁だと思っています。

Posted by: komachi : January 5, 2005 10:13 AM

僕は大阪万博の会場入り口まで行って、会場に入らず帰ってきました。筑波の科学博は雑木林を切り開いて造成工事をしているところを見ただけで、未だに万博をみたことがありません。
愛知万博も設計者の選定で40代建築家の間でドロドロの争いがあったりとか、よからぬ噂が漏れていますね。

Posted by: iGa : January 4, 2005 01:41 PM
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