July 08, 2005

ガーナのアート棺桶

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雑誌「MEMO」の最新(8月)号に、ガーナのガー族のアート棺桶なるものが出ている。装飾棺桶という呼び方もある。
大胆、ユーモラス、そして美しい。ぼくはちっとも知らなかったが、知っている人は知っているらしい。国立民族博物館で開催中の「アフリカのストリートアート展」にも展示されているし、「ベリードスピリット」という本もあるようだ。とはいえ、1950年代から始まって、数人の制作者によってつくられているというから、そんなに昔からの風習ではない。これほどのものを作りながら、死者とともに土に返すのを、僕たちの感覚で言えばもったいないと感じるけれど、古代の墓の副葬品の豪華さを見れば、こんな棺をつくることも不思議なことではないのかもしれない。

 ガー族のひとびとにとって、葬式は終わりよりもむしろつぎの生の門出なんだと考えられているから、この派手な棺はそのためなのだといわれると思い出す曲がある。塚原のもっている「JAZZ BEGINS」というレコードに、黒人たちの葬式で、墓地への往復で演奏されるニューオリンズジャズの曲だ。 行きはしめやかにゆっくりとした演奏だったのが、帰りには意気揚々と、むしろ喜こびにあふれたような演奏に一転する。たとえば、雨上がりの夕方のような開放感。それが、いずれもこころをゆさぶるんだ。
まさか手ぶらになったことを喜んでいるわけではあるまいから、墓地へゆくときには死者とのわかれを悲しむが、帰りには別れた人の新しい人生を喜ぶのにちがいない。本人も、生きていたときのつらい世界とは、喜んで別れていったのだろう。ガー族の葬式にも、きっと音楽が演奏されるのだろうが、それもきいてみたいものだ。

投稿者 玉井一匡 : July 8, 2005 02:25 AM | トラックバック
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