August 06, 2005

ヴィエンチャンの合歓の木

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この春ヴィエンチャンに行ったときに大学の図書館を見学した。読書室の窓から見下ろすととても形のいい巨きな木があった。帰りがけにそばに寄ってみるとやはり合歓(ねむ)の木だった。やはりと思ったのは、そのとき合歓が気になっていたからだ。ヴィエンチャン中心部に計画中の市立図書館ができる敷地に、大きく枝を広げる涼やかな木がある。足もとにデッキを作れば屋外読書室にもってこいだ。 南国の特別な木なのかと思い近づいて花と葉を見ると、合歓の木なんだ。葉は日本の合歓よりも大きくてアカシヤのようだが、花はまぎれもない合歓だ。それから気をつけてみると、道の向かい側にももっと大きい木があって、木蔭には屋台がある。「合歓」というのは不思議な字を書くなと思っていたが、こうやって木蔭に人が枝に鳥たちがあつまるのをみるとなるほどという気がする。

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 合歓の木蔭がすずやかなのには、いくつかの理由がある。細い糸をたばねたようなたおやかな薄紅の花がいかにも繊細。小さな葉の集合体なので隙間が多いから、それら薄い小さな葉は太陽を透過し反射させて、光を霧のようなちいさな粒にして地上に撒きちらしてくれるのだ。
日本にいる合歓は、こんな大木にはならないので、少ない葉と繊細な花が頼りなげに感じさせるのだが、大木になると密度の少ない葉でも重なるから量感を増す。市立図書館の前の道路は、国連の施設も計画されているくらいの目抜き通りだが、今はまだいわゆる立派な建物はまだ建てられていない。つきあたりに「凱旋門」があるだけの広い道路に見えるけれど、電柱なんてないからちゃんと電線は地中にあるらしいし大きな樹木が豊かだ。ここはシャンゼリゼの国がかつて支配していた。大連もアカシアの並木が広くて美しいといわれるから、植民地支配にも、いいところがあるということなのか、整然とした町並みをつくるには、強い権力が必要だということなのか。
それでもぼくは、この道につけられたランサン通りという名前にも心を動かされていた。「かつての王家の紋章が三頭の象だったことからつけられたんですが、ランサンというのは「百万の象」という意味なんです。」とエファ・ジャパンの吉川さんが教えてくださったのだった。
 ためしに計算してみよう。片側3車線の道路だから象を6列に並ばせることにする。前後に5m間隔としたら、行列は833kmと330m+4匹にもなってしまう。しかし、その光景を思い浮かべても、象たちだと大行列も押しつけがましい力の誇示というより楽しい行列に思えてしまうのだ、ぼくには。そうなったらもう、楽しいことをさせるんじゃなければ象使いの手には負えないもの。
 

投稿者 玉井一匡 : August 6, 2005 10:49 AM | トラックバック
コメント

 たった1本の柱で直径30m以上もありそうな屋根をつくるし美しいし、日よけとしてはこんなにいいものはないですね。鳥たちが屋根の上によけいなモノを置いていくこともあるのが難点ですが。ところで、井ノ口さんは南アフリカにも住んでいらしたから、南国のことも旧植民地というものもよくご存じなのですね。サバンナの真ん中に大きな木が立っている風景がありますが、あの木は何なんでしょう。

Posted by: 玉井一匡 : August 8, 2005 09:22 AM

そうですか、あれが合歓の木ですか。本当に大きかったですね。南国では木陰に車を止めないと一定時間駐車した後で、車に乗ってハンドルをそのまま握ると火傷をします。木陰を駐車場に使うとちょうどいいと考えるのは僕の想像力ですが、玉井さんは「合歓」という木の名前の由来までさかのぼって思いを馳せるという。やっぱり着想が違いますね。敬服します。図書館と多目的ホールは、合歓の木の近くだけにラオスに根付くと思います。

Posted by: 井ノ口登 : August 7, 2005 11:33 PM
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