October 10, 2005

kai-wai散策と 微かな光

kaiwaisansaku.jpg click Image to jump to 「kai-wai散策」
「kai-wai散策」の写真がとてもいいなとずっと思っていたのだが、先日の「COFFEE こころ」で、いっそうにその思いを深めた。ここは自分の目で何度もみたことのある場所のはずだが、ぼくにはこんなふうに見えたことがない。
 かすかな弱い光のもとで見ると、ものが光を反射しているのではなくて物体が光を放っているように感じられることがある。月が光を反射しているにすぎないと知りながら、ぼくたちは月の光といい月明かりという。何でもいつでもそういうふうに感じられるわけではないけれど、kai-waiの写真にはよくあるのだ。「こころ」の写真は、とりわけそう感じられた。

 水琴窟がつくる音は、かすかでひそやかな音でありながら空間を満たすようにさえ感じられるのもおなじことなんだろう。光が少ないこと、音が小さいことが、むしろぼくたちの感覚を目覚めさせて、ちいさなものにも感じやすくなるのだ。写真のばあいには撮る人と、それを見るがわのぼくたちの感覚が磨かれる。
 masaさんの写真は、もうひとつのかすかなものに対してきめこまかくやさしい。kai-wai散策の共通テーマである、ほろびようとしてるものたち、大きな顔をしているやつらの狭間にひそやかにあるいはたくましく生きているものたちの、おだやかないのちと控えめな自己主張に対してだ。
もしも、まちにおだやかな光や音やいのちや息づかいを感じられるレイアがなくて、コンビニやヨドバシカメラやドンキホーテや自動販売機のようなものだらけになったら、ぼくたちをひどく鈍感にしてしまうだろう。
だからといって、かすかに残された自由を、息をひそめて大切にしなければならない世界には、けっしてしたくないが。

投稿者 玉井一匡 : October 10, 2005 12:30 PM | トラックバック
コメント

good site, good short contents of the good work. ongratulations !

Posted by: cell phones">Kir : July 29, 2006 07:13 AM

玉井さん。こんばんは。masaさんが、お書きになったコメントを読んだあとに、続けて書くのはちょっと変な気持ちなのですけど・・・。/近江八幡に行かれたのですか。ご存知のとおり、あそこの八幡堀も高度経済成長期にドブ化して、「柳川掘割」のように暗渠化されつつあったのですが、地域住民の皆さんの運動・実践のなかで、八幡掘が復活し、「土地の履歴」を消去してしまうことなしにすみました。そのような地域住民の存在が、他の観光地と少し違うところかもしれません。観光地化していくと、映画村や新手のテーマパークみたいになってしまうところが少なくないのですが、八幡のばあいは、変な形で「商品化」されたり、「消費」されたりしていない気がします。/あっ、それから、拙いBlogご覧いただき、ありがとうございました。

Posted by: wakkyken : October 10, 2005 07:22 PM

玉井さん、一番乗りでお邪魔させてただくべきところ、出遅れてしまい、申し訳ありません。こんな過分な紹介をしていただき、かつ写真を読み過ぎなほどに読んでくださいまして、どうお礼を申し述べればよいものやら、途方に暮れています。
とにかく、玉井さんにお目にかかって以来、ポツリポツリと言葉をかけていただきましたが、そのひとつひとつが、ズシリと腹に効いてくるものばかりでした。特に、「懐かしんでばかりいる時間はない」というお言葉は、耳にして以来、頭のなかで響きつづけています。今回も、また、写真を読み過ぎという形で、貴重なアドバイスをいただいたと感じています。
縁台のオヤジ写真だ~とお気楽に始めたブログでしたが、こうして、玉井さんをはじめ、書籍「ブログの力」の力になられた方々に、様々なかたちでご教授いただき、すこしずつチェックポイントも増え、風景の見え方も違ってきました。今後も、それらを踏まえながらも、あまり力まずに、歩きつづけてみようと思っています。とても優しい激励を、ほんとうにありがとうございました。今後とも、ご指導のほどを、どうか、よろしくお願いいたしますm(__)m

Posted by: masa : October 10, 2005 03:41 PM

コメントを書いてくださる早さに、masaさんへの支持の強さのほどを、改めて再認識しました。じつはぼく、たったいまトラックバックを忘れたぞと思い、kai-waiを開いて、たまたま気づいた「ハーフ・アンド・ハーフ」を読んでもどってきたら、コメントが書いてあり、しかもそれがwakkykenさんだったんでびっくりしました。
琵琶湖周辺は、まだまだ古いものが当たり前のように共生しているところがたくさんあっていいですね。今年の春に、近江八幡に泊まってレンタカーで石山寺あたりまで足を伸ばし、その思いを新たにしました。「大津町ある記」を見ながら、そのときを思い出しました。

Posted by: 玉井一匡 : October 10, 2005 02:54 PM

はじめまして。僕はmasaさんの『Kai-Wai散策』のファンになって2ヶ月ほどたつのですが、「もうひとつのかすかなものに対してきめこまかくやさしい」という素敵なご指摘に大いに納得です。僕は、masaさんの写真に、光とともに、かすかな湿り気や匂いも感じています。「息をひそめて大切にしなければならない世界には、けっしてしたくない」ので、「コンビニやヨドバシカメラやドンキホーテや自動販売機」的世界の拡大に、どう対処できるのか悩むところです。「滅びゆく世界の美学」にひたるわけにもいきませんしね。

Posted by: wakkyken : October 10, 2005 01:54 PM
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