October 13, 2005

実物googleマップ


 ぼくが子供のころ、電車に座るときには「くつを脱ぎなさい」というのが大切なこどものマナーのひとつだったような気がする。電車子供でも、電車そのものの好きな子は先頭の車両にいって、運転手のうしろから進行方向を見ていた。運転手の動作と運転席の計器のならびかたと線路の続く様子が見たかったのだ。今思えば、ぼくは運転席派よりも客席派に所属していたようだ。客席派は座席にうしろむきにひざまづいて外を見る。「くつを脱ぎなさい」は、隣にすわる客に汚れた靴があたらないようにしなさいということなのだった。マナーその2は「顔をださないように」だ。「電柱にぶつかって顔のなくなった人がいるのよ」という補足条項はおそろしい光景を想像させた。そういう格好をして座るのは子供っぽいぞと、すぐ思うようになってしまうし、小さいときには電車に乗る機会も少なかったから、後ろ向き乗車の機会はさほど多くなかったにちがいない。そして、ふだんとはまったく違う風景を見たり、目の前をすれ違う電車のスピードを実感したり、駅で止まると窓から熱い空気が入り込むのを知った。

 いや、空からの景色の話のつもりだったのだこれは。
おおよそは決まっていたものの急にラオスに行く日が具体化して、12日の11時発で成田を出発した。窓際の席を選んだけれど、隣の2人分の席には人が来ない。天気はいいし実物googleマップにはもってこいの条件が整った。googleマップと「東京の原地形」に「アースダイバー」の知識が加わったから、空からみる日本がさらに新鮮だ。あれはなんだろう、これはどこだろうと思い、インターネットにつなげられないもどかしさを隣の席に座らせて、アクリの板の窓にぴたりと額を押し付けて下を見ていた。せめて、地図がほしい。飛行機のディスプレイにはgoogleマップを写してほしい。
熱中しても、開かない窓から顔を出す心配はないし、となりの席は空いているから「ぼくも外をみたいな」なんてうらやましそうにする子供に「代わってあげるよ」なんて言わなくてもいい。
 そのうちに高度も上がり天候も変わり雲越しのgoogleマップになった。バンコクの空港が近づいて、ふたたび地上が見えてくる。1年前にひさしぶりにバンコクに来たら、高層ビルが林立してすっかり様相変わってしまった。空港のあたりの郊外も、かつては農業地帯だったところが住宅地やおそらく工場などに開発されている。
 河口にできた広い平地に直線的に水路を通し、農地は長い長方形の区画に分けられている。長方形の端に家が建ち背後に農地が長くのびる。そして水路をはさんで背中合わせに農地があり家ー道路ーそしてまた家とくりかえしている。それが、開発される前の農業地帯の構造なのだろう。
 その区画をまるごと住宅地として、ところどころ開発しているのだ。この写真の開発では写真に120戸ほどの住宅がある。短冊の長手方向に道路を2本はしらせ、それを間にしてふたつの住戸の区画が向き合う。少なくとも空から見れば、美しいし興味深い。美しいのは、屋根が土色の、おそらくはセメント瓦で揃えられているし、今のところは、緑のなかにその色がほどよくちりばめられているからだ。極端に細長いのもグランドデザインとしてはかっこ良く感じられる。中央には、遊水池かプールがある。日本の住宅開発とくらべれば、空からはきれいだ。僕が電車を思い出したのは、飛行機の窓から外を見たせいだけではなくて、細長い開発が電車を想像させたからかもしれない。
 とはいえ、地上を想像せずにはいられない。農地の所有形態はどうなっているんだろうか?排水の処理はこんな長くて勾配がとれるのか?これがいっぱいになったら交通渋滞はどーする?いまは雨水を吸収している農地がなくなったらどうなる?等々、疑問と心配はいろいろとわいてくる。いちど、地上から見に行きたい。しかし、写真がぼやけているのがもどかしい。

投稿者 玉井一匡 : October 13, 2005 05:35 AM | トラックバック
コメント

ほんとですね。それが味わいたいばかりに、450バーツ/日(1バーツ2.7円)で借りてバンコクのホテルの客室からエントリーしました。
このコメントは、SVAというNGOのヴィエチャン事務所から書いています。LANにつながらないので、電話回線をつかっています。ではまた、夕食後にインターネットゲストハウスから、あたらしいエントリーとaki'sにコメントを書きます。
秋山さんのblogを開いて、$100PCのプロジェクトや青空文庫やグーテンベルグプロジェクトなどの話をしましたよ。
ではまた。

Posted by: 玉井一匡 : October 13, 2005 08:46 PM

やぁ、バンコックのホテルからのエントリーなんだろうか、それともヴィエンチャンなんだろうか。
外国にいる玉井さんのエントリーが、今ここで読めている驚きが、Google map と同様に感じるのであります。

Posted by: AKi : October 13, 2005 12:41 PM
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