January 25, 2006

カメと芭蕉庵


 空気はつめたいけれどやわらかな日差しがあったので、雪のあと初めて自転車で事務所に向かう朝、こんな二人づれに会った。神田川沿いの、あと2月もすれば満開のさくらに包まれる、神田川べりの道、かつて芭蕉が住んだことのあるという関口芭蕉庵の前だ。一昨年、関越道路で会ったのと同じくらいの大きさのカメだった。色が黄色みがかっている。
「ゾウガメですか?」   「いや、リクガメです」
ゾウガメはリクガメの一種だが・・・・

「どこからきたんですか?」  「エチオピアです」
「植物性のえさですか?」   「ええ」
関越であった人も、あまり積極的に話をしてくれようとはしなかった。犬の飼い主だったら、もっとうれしそうに話をしてくれるだろうに。やはりカメとおなじように、甲羅の中に入っていたいんだろうか。でも、うしろからやってきたクルマのひとが手を振るとにこやかに応える。近所の人らしい。
「この調子に合わせて歩くのも、なかなか大変ですね」   「ええ」
ゆっくりしている時は、甲羅のハラを滑らせながら歩いているけれど、ちょっと気合いが入ったら四つ足を踏ん張り甲羅を浮かして、なかなかの早さで歩きはじめた。ガラパゴスのカメたちは、船乗りたちがつかまえて、生かしたまま舟に乗せておけば腐ることはないから重宝するので、ずいぶん食われちゃって激減したそうだが、そういう時にはこうやって逃げたんだろう。

投稿者 玉井一匡 : January 25, 2006 12:21 PM | トラックバック
コメント

漂泊のブロガーとしては芭蕉や山頭火は偉大な先達というわけですね。あたりが桜の国になるのももう少し。明日の晴れを祈って、おやすみなさい。

Posted by: 玉井一匡 : January 27, 2006 10:47 PM

坂巡りの途中で芭蕉庵に立ち寄りました。 植物の芭蕉もみてきましたよ。 本日は亀くんはその界隈の徘徊をしていませんでした。 では明日! 

Posted by: いのうえ : January 27, 2006 10:40 PM

子供たちが空を飛んでネバーランドに行くというのは、そういうことなのでしょう。

Posted by: 玉井一匡 : January 27, 2006 07:48 AM

「想像力の中でぼくたちの世界が彼らのところにまでひろがる」というのは、まさに神話的ですね。

Posted by: わきた・けんいち : January 27, 2006 12:33 AM

コウモリもかわいいけれど、飼うのは大変でしょうね。こどものころ、祖父の家の天井裏にいたのを、どうやったのか憶えていませんが、つかまえたことがありました。ノミがたくさんついていたので、いとこや動物好きの叔母といっしょにそれを取って逃がしてやりました。空を自由に飛ぶ哺乳類であるコウモリと人間が、同じ家に生活していたということが、とてもすてきなことだとぼくには感じられました。
動物を人間の世界にペットとして取り込むということより、想像力の中でぼくたちの世界が彼らのところにまでひろがることが、われわれを惹き付けるのではないでしょうか。

Posted by: 玉井一匡 : January 26, 2006 11:27 PM

玉井さん、僕は、部屋のなかでコウモリを飼っていた人を知っています。また、みせてもらいまたし。でも、モモンガだと相当に大きいですよね。滑空しようと思うと、体育館の広さが必要になったりしてね(^^;)。でも、考えてみたら人間って不思議ですよね~。動物をペットとしてかわいがるっていうのは、人間だけですからね。飼育して食べるというのは、わかりやすい話しですが(ちなみに告白しますと僕はカメを食べたことがあります。あっ、飼育して食べたのではなくて、中国の食堂でです(^^;))。

Posted by: わきた・けんいち : January 26, 2006 04:47 PM

いらっしゃい、やまざきゆきえさん・・・ いや、なにも人さまにまで本名を求めているわけではありません。ひとそれぞれで、どうぞ。masaさんのところでは、スーツを着ていることを弁解しただけのことです。それはともかく、あのカメは凄まじいですね。「動画の部屋」というのをごらんになりましたか、食いっぷりもすごい。ちっとも低燃費なんかじゃないことがわかりました。にもかかわらず、あいつらを愛しているとしたら、このひとはエラい。好き好んで苦労をするのは、皇帝ペンギンだけじゃないという、これも生命の不思議です。おたくの愛犬もクーですか。うちのcooは、漢字で書くと「空」のつもりですが、もちろんそんな哲学的なわけではありません。

Posted by: 玉井一匡 : January 26, 2006 04:35 PM

わきたさん、もし今もアンヘルが生きていたら1mを軽く超える大きさになっていて、事務所の床を徘徊していたことでしょう。昨年のこと、お寺の本堂でモモンガを放し飼いしているが、奥さんが病気になったのでだれか引き取ってくれないかというはなしがあって、部屋の中をモモンガが滑空するのを思い浮かべて、ずいぶん心を動かされたのですが、パスしました。幼稚園が名乗りをあげたそうです。

Posted by: 玉井一匡 : January 26, 2006 04:10 PM

こ、こ、こんにちわ~。コメント書いてもいいのかな~と思いつつ、aiさんや夫の真似をして、「えい、や~」とおじゃまします(^^;
しかも、わきたさんの真似もして本名で…やはり責任を取らないと…ですよね。
それにしてもエチオピアのサイトはすごかったですね~。あの音楽とファンヒーターの汚れ方に、カメを飼うことはあきらめなさいという、メッセージが込められていますよね。
生き物すべてに通じますが、観ているだけだとかわいらしく、ほほえましいですが、実際飼うと、それだけでは済まされませんよね。
玉井さんの犬は「coo」ちゃんなのですね。実家にいる我が家の犬は「quu」ちゃんです。またしても、勝手な親近感です。(^^;

Posted by: やまざきゆきえ : January 26, 2006 03:37 PM

玉井さん、アンヘル君のエントリー拝見しました。なんだか、悲しいですね~。東急本店のペットショップの店員でなくて、西武のペットショップのおばさんから飼い方をはじめから教わっていれば、いまごろは・・・。なんだか、ちょっと悔しいです。玉井さんは、いろいろ動物を飼育されたようですが、両生類・爬虫類の系統もお好きなのですね。カメを散歩させている人をみると、近寄らずにはいられなくなるのでしょうね。

Posted by: わきた・けんいち : January 26, 2006 02:42 PM

わきたさん、たしかにこの人質問にうんざりなのかもしれませんね。若い女の子に聞かれれば喜んで応えるのでしょう。エチオピアのサイトをクリックしたら、やかましい音楽が止まらなくて、一旦、ブラウザーを閉じましたが、それがいかにもカメを飼うことの苦労を感じさせました。ブログにもエントリーしましたがグリーンイグアナも飼ったことがあります。http://myplace.mond.jp/myplace/archives/000107.html
犬、モルモット、 ヘビ、蛙、スズメ、カマキリ、ヤモリ、イモリ、トウキョウサンショウウオ、小鳥類、けっこういろいろなものを飼いましたが、動物との生活は面白いのだけれど、いなくなってみるとこんなに自由だったのか、なんて思うことがあります。でも、野生動物の側からすれば、迷惑この上ないことです。飼い主以上に憂鬱になることでしょう。かれらの「場所」からひきはなされるのですから。

Posted by: 玉井一匡 : January 26, 2006 12:26 PM

玉井さん、こんにちは。想像したのですが、この男性は、リクガメを運動させに外に連れて行くたびに、見知らぬ人たちから、似たようなタイプの質問を受けているのでは・・・なんて(^^;)。ところで、僕は、動物を飼ったことがありません(金魚とカブトムシとコオロギ程度)。エチオピアの文字をクリックすると、このタイプの亀を飼育されている人のお宅のなかの様子がわかりますね。それをみてびっくり。ものすごいパワーですね。部屋の中の様子にも驚きました。ファンヒーターのルーバーをもぎとるんですから。僕だと、このリクガメ君の将来を考えると(巨大になる、餌がたいへん)、憂鬱になってついつい下を向いて思いつめてしまいそうです、この男性のように(^^;)。でも、飼い主にとっては、たとえそうであってもカワイイのでしょうね~。犬のばあい、飼い主の女性が、犬にむかって「○○ちゃん!お母さんのいうことをきかないとダメでしょ」なんて話しているのを見たことがありますが、リクガメのばあいは、どうなんだろう。この男性は、「お父さん」かもしれませんね。

Posted by: わきた・けんいち : January 26, 2006 09:26 AM
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