April 01, 2006

桜と小鳥:桜を食べる 2

 クーのための朝の散歩も、さくらの咲いているころはとりわけ心地よい。まだ咲ききらない桜の樹の下にいると一輪ごとクルクルとまわりながら花が落ちて来るときがある。見上げると、枝にはヒヨドリがいる。花を食べようとしているのか戯れているだけなのか分からないが花をつついているのだ。つつかれた花たちがきれいに開いたままひらひらと落ちてくる。
 神田川の橋のたもとではスズメたちが一番乗りの桜をつついていた。それらが足もとのドウダンツツジの枝にとまって、まだちいさな芽を出したばかりの枝に桜の花を咲かせているようだ。地面にもたくさんの花が落ちていたから、ぼくは帽子を脱いで花をあつめ、あたまを下に向けそっと帽子をのせて事務所に運んだ。

かつて写真の現像に使われていたらしい白い長方形の皿に水を張って桜を浮かべたけれど、白を背景にあわい桜色では映えない。こんなにうすい色だったのかとあらためて気づいて隣のビルの植え込みから椿の葉を数枚つれてきたのを浮かべ桜の背景にした。皿に入れると、箸先でつまんでたべてみたら案外旨いのかもしれないと思わせる。
それを打合せテーブルに置いて3日目になるけれど、そのあいだに神田川の桜は見る間に満開になったが白い皿の上の花はいまも元気だ。そればかりではない。このさくらたちはわずかな日を経て、花びらの付け根の雄蕊にちかいところにほのかな赤みをわずかに増した。ちょっとした発見だった。

投稿者 玉井一匡 : April 1, 2006 01:33 AM | トラックバック
コメント

iGaさん  そうそう、ぼくも黒沢を思い出しました。用心棒で、ジェリー藤尾が腕を切り落とされて大騒ぎするところなどを思い出しました。ということは、むしろ黒沢は、この時代の写真をもとに考えたということなのかもしれませんね。

Posted by: 玉井一匡 : April 6, 2006 03:32 PM

あの地図の原町田周辺にベリー・サードワールドなんて書き込みがありますから、彼らからすれば未開地のような印象だったのでしょうね。道幅の広さは個人による土地所有と云う意識がなく、土地は共有物という考えがあったのかも知れませんね。それにしてもベアトの原町田の写真はどこか黒沢映画の世界を思わせますね。

Posted by: iGa : April 6, 2006 03:19 PM

iGaさん   そうか、こんなだったのかっていう印象ですね。思っていたよりも道幅が広いくて、むしろ広場じゃないか。それに、これで見ると、馬がばてるほどの急勾配の坂ではないように見えます。いかにも未開地、未開のひとびとという風情も、無意識に思い描いていたのとは違うなあ。このころの写真は、いつもそういう感じなのです。ぼくの想像が間違っていたにすぎないのですがね。

Posted by: 玉井一匡 : April 6, 2006 11:28 AM

拙ブログに"Hatchoge"をエントリー、ベアトの原町田の写真を載せました。どうもはっきりしないが左側の人物の陰に馬がいるような、いないような。因みにこの写真の旧町田街道(現・中央通り)・右奥の木立が浄運寺で、柿島屋はその先に位置するようです。
http://madconnection.uohp.com/mt/archives/000960.html

Posted by: iGa : April 6, 2006 01:51 AM

fuRuさん  押し花もいいですね。後ろ向きのさくらが並んでいると、ガクが赤い星のようで、楽しいですね。古川家としては、親子共作の押し花になるのでしょう、きっと。

Posted by: 玉井一匡 : April 5, 2006 09:01 PM

わが家でも、ガクごと落ちてきた桜の花を先日拾ってきました。
玉井さんのように水に浮かべて楽しむのではなく
押し花にしてみようと思っています。

Posted by: fuRu : April 5, 2006 01:08 PM

自分のコメントが続きますが、絹の道のサイトがありました。
http://www.m-max.com/j_kkinu.html
http://www.city.hachioji.tokyo.jp/sangyo/kanko/kinunomichi/kinunomichi.htm

Posted by: 玉井一匡 : April 3, 2006 06:48 PM

ところで、「ばくろう」と入力して変換すると、「馬喰」のほかに「伯楽」とか「博労」などがあります。広辞苑によれば「伯楽から転じて・・・・」と書かれています。もとは、伯楽だったけれど、馬を喰うのをみて馬喰と書くようになったり、博打好きのやつがいると博労と書かれたりしたんでしょうか。で、知性派のばくろうは「伯楽」と書かれると。

Posted by: 玉井一匡 : April 3, 2006 12:52 PM

わきたさん 桜鍋は、こんどの予備調査のときでしょうかね。
楽しみです。

Posted by: 玉井一匡 : April 3, 2006 12:50 PM

あきやまさん 馬喰町を江戸の地図でみると、もちろん馬喰町という地名はありますが、そこには「初音ノ馬場」というのがあります。やはり、馬喰がこのあたりに住んでいたのでしょう。しかも、馬喰町のとなりには小伝馬町があります。
伝馬って何かと思って調べると、「『伝馬』とは、幕府の公用をこなすために宿駅で馬を乗り継ぐ、その馬のことをいいます。」と下記のサイトに書かれています。
http://www.ktr.mlit.go.jp/yokohama/tokaido/02_tokaido/04_qa/index1/a0105.htm

Posted by: 玉井一匡 : April 3, 2006 12:38 PM

リンクをクリックして「うわ~」と声をあげました。めっちゃ、美味しそう!!「機会があれば」ではなくて、「機会をつくりましょう」です。

Posted by: わきた・けんいち : April 3, 2006 11:17 AM

そうだ、馬喰町もありますね。
ここは最初、matsu っあんに連れてきてもらったところです。町田で飲むなんてことになると定番、iGa さんと三人で食したこともありました。
ところで、馬肉屋は坂道の途中に多いというような理論を持っています。今はなくなってしまいましたが宮益坂にあったし.....坂道の途中でへばった馬を横道に連れ込んで.....というのが理屈なんですが。

Posted by: AKi : April 3, 2006 01:48 AM

サイトを開いてみました。うまそうですね。ご先祖が馬喰で、歩けなくなった馬を食べさせたのが始まりだとか、明治になって輸出用の絹生産がふえて、そのための通り道になったとか、具体的な話が歴史に加わってくると話の厚みがすっかり変わって来ますね。そういえば秋山さんはうま年じゃないですか。この柿島屋でも、明治から店をはじめたという話になっていますが、本当のところ自分たちでは食べていたんでしょうっていうような話をききたいですね。明治になって忙しくなったんで馬が疲れやすくなったせいだということではないでしょう。ところで「ばくろう」って漢字では「馬(を)喰らう」と書くんだということに、いま気づきました。わきたさんいらっしゃるときには、わたしもぜひ同行させてください。

Posted by: 玉井一匡 : April 3, 2006 01:13 AM

鳥たちが桜の花を突っついて花を落とすのは、下北の事務所で経験していました。鳥がやってこないように、フランス製の猫型の「鳥脅し」なんぞを設置したりしましたが、鳥たちもきっとこの季節を心待ちにしていたんだと思うようになり、気にしなくなりました。さすが玉井さん、全てにやさしい。

ところで、わきた さん、私は、結構、馬を食するのを愛好しております。町田に柿島屋なる馬専門の店があり、なかなかです。
http://www.tokyo-np.co.jp/shinise/114.html
機会がありますれば、ご案内いたします。

Posted by: AKi : April 3, 2006 12:34 AM

今日の入学式は、雨で雷まで鳴っていました(^^;)。さて、馬肉のことですが、熊本も山梨も馬産地でしょうから、地元産が多いのではないでしょうか。岩手もそうです。馬肉については、いつも刺身なので、一度、サクラ鍋(馬のすき焼き)をたべてみたいなと思っています。そうそう、馬のタテガミという脂肪、美味しいですよね~と、まだ夕食を食べられずに仕事をしているので、ついつい食い意地がはったコメントになってしまいました(^0^)。

Posted by: わきた・けんいち : April 2, 2006 08:27 PM

わきたさん 入学式の天気はいかがでしたか。こちらは、気温は高いもののかなり強い雨が降り始めました。ちかごろは馬肉も輸入品なんですか。なんだって輸入ですませてるんだから当たり前ですが、熊本や山梨にいくと食べるという機会が多かったので、「場所」に対応しているんだと思い込んでいたようです。食習慣は場所にかかわるものだから、やはり西欧文化圏では、クジラや犬を喰うことを野蛮だとかんがえるように、馬を食べるというのはいやがりそうですね。キリストの肉と血を食べ飲むことを儀式としているのに、犬や馬を食べることをあれこれ言われる筋合いはないと思いますけど。

Posted by: 玉井一匡 : April 2, 2006 06:16 PM

玉井さん、おはようございます。なぜサクラ肉というのか、私は、カットした肉が桜色をしているからとぐらいにしか思っていませんでした。以前、岩手に住んでいましたが、サクラ肉は岩手の郷土食でもありました(岩手は、軍馬の産地でしたし)。最近のお店でいただくサクラ肉は、ほとんどが輸入ものということなので、産地のサクラ肉が手にはいったときは、刺身にしてよく食べていました。国や文化によって、馬食を嫌うようですね。いっぽうで、中国や韓国は犬を食べますが、犬食を野蛮だと非難する国や文化もありますけど。今日は、入学式です。残念ながら桜はまだです。

Posted by: わきた・けんいち : April 2, 2006 09:07 AM

わきたさん 今年は東京の方が早いんですか。でも、二月堂だの琵琶湖の白い波なんていうことばを見るたびに、まちに堆積している年輪の違いを思います。じつは今日も、かわいい犬がぼくのあとをついて来ました。波頭の白いやつを「うさぎ」ということがありましたっけ。イノシシを山くじらと呼んだり、ウサギを一羽、二羽とよんで鳥に見立てたりして、食用にする生き物がけものではないことにしていまうという日本のならわしが、ぼくは好きです。だから、馬をサクラとよぶのは明治時代からではなくて、けものを食べることを禁じられていた時代にまで遡るにちがいないと思うのです。
そうそう、今日のことですが、ふと気づいたら、犬がぼくのあとをついて来ていました。全くかわいい奴ですよ。

Posted by: 玉井一匡 : April 2, 2006 01:09 AM

neonさん  コメントおそくなっていました。ありがとうございます。ちょっとおいしそうでしょ。写真には箸を添えようと思っていたのですが忘れてしまいました。
放っておけば踏みつけられるだけの花たちが元気にしていると思うと、ちょっといいことをしたような気分になります。椿の葉の上のわずかな水にうかぶ花でさえ、元気なのです。
ところで、今朝の神田川沿いの桜には、群れというには少ないけれど10羽ほどが花をついばんでいました。ヒヨドリでもスズメでもメジロでも鳥たちがみんなつつくんだから、桜のシベには甘いところがあるのでしょう。

Posted by: 玉井一匡 : April 2, 2006 12:33 AM

玉井さん、こんにちは。東京方面は、もう満開なのですね。京都あたりは、やっとツボミが開き始めた感じです。職場のある滋賀県などは、開花はまだですね。滋賀は少しだけ日本海側の気候がまじっているので、一般の関西よりも春の訪れが遅いです。関西では、「奈良の東大寺二月堂のお水取り」がおわったら春がやってくるといいますが、滋賀のばあいは、お彼岸を過ぎても、「比良の八荒あれじまい」といって湖西の比良山から冷たい強風が吹いて天候が荒れます(琵琶湖にも三角の白い波がたちます)。昨日は、その「荒れじまい」という感じの天候でした。桜が待ち遠しいです。ところで、玉井さんは、犬(釘)や椿の葉などを“つれてくる”ことができるのですね~、スゴイ(^0^)。

Posted by: わきた・けんいち : April 1, 2006 05:01 PM

なんと美しくいとおしいさくらたち。ほんとに花びらの付け根がほんのり紅を帯びて見えます。さくらをこんなふうに水を張ったものに入れて飾ることって、あまりしないことだなあと思いました。こんな愉しみ方もあるんですね。下に敷かれた布もよく合って、映えていますね。すぐにくたれてしまいそうなのに、水を吸って生気を取り戻したのでしょうね。拾われたさくらたちが、紅色になって玉井さんに御礼を言っているような。

Posted by: neon : April 1, 2006 04:12 PM
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