May 13, 2006

夕日のレストランと橋


10日の朝に東京を発って、バンコクで長いトランジットのあと、夜遅くヴィエンチャンについた。ホテルではインターネットがつながらず、明日はもう帰るという日の午後になってようやく時間ができて、ネットカフェに来た。
自治労が寄付する小規模な図書館の基本設計をすることになって、あれやこれや紆余曲折のすえに、だいぶ変更を余儀なくされてなんとか工事が始まったが、工事にかかったと思ったら、もっと建物の位置を下げろという注文が役所から入った。おかげで、残したかった大きな合歓の木は伐られ、正面のポルティコがなくなった。
気を取り直してやってきたが、日本の常識とはずいぶんかけ離れたところがある。平屋とはいえ14mスパンの鉄骨の梁を20×40cmのか細い柱が支える。それでも、現場を見た役所のお偉方が、柱が太いと驚いていたという。地震がないし人間の考え方もちがうのだから、あながちここのやり方がわるいともいえない。

 そんなぐあいだが、昨夜夕食に行った店はとてもすてきなところだった。
あちらこちらに店を増やしているところらしいが、ここはメコンの河畔に大きなデッキを張り出している。すぐ近くに橋があって中州をつないでいるが、それは2メートルほどの幅なので車は通れないが、歩いてゆくには長いからだろう、自転車とバイクだけがときどき渡っていく。床の板が固定されていないのか、バイクと一緒にカタカタカタと音も走ってゆく。素敵に美しい夕空はわずかな時間しか続かなかったけれど、いつまでも記憶に残るだろう。
 料理はラオス料理なのだが、料金がとてつもなく安い。ラオスの基準でもひどく安い。30種類ほどのラオス料理、デザートの並ぶビュッフェスタイルで、サーモン、さば、マグロなどの刺身や焼き鳥、そば類は注文でつくる。写真の両側に、さらにデザート、カレー、そば、蒸し物がならび、奥のデッキに出た右手には焼きトンの屋台がある。ビールさえ飲み放題で、ジョッキが空になると若いお嬢さんが注ぎにくるので、さながら椀子そばだ。それで、なんと一人5ドル。まちで昼飯に食べるふつうのソバが1ドルなのだから、このまちの常識から見ても破格の値段なのだ。SAEといって、空港にも店がある。日本人の女のひとのようななまえだが、といって日本人の経営ではないそうだ。

追記
やっと、帰って来たので、写真を追加しました。2日ほど前にクーラーをつけっ放したまま寝込んだら、以来、腰痛に襲われて、椅子からへっぴり腰で立ち上がらねばならない状態になってしまいました。自転車通勤を始めて以来10年近くなかったことです。
 そういえば、ぼくはどうしてこの橋を渡ろうとしなかったのかと、今ごろになって思いました。ばかなはなしですが。
追加した写真は、レストランのデッキから見た橋、並べられたたくさんの料理、道路から店へのアプローチです。

投稿者 玉井一匡 : May 13, 2006 06:53 PM | トラックバック
コメント

井ノ口さん 腰を痛めたのは日程のせいではなく、わたし自身の不注意のもたらしたものです。ホテルでエアコンをつけっぱなしたまま眠り込んでしまうというのは、私の場合には、よくあることです。旅行先ではついつい体力の限界を超えて歩き回り、疲れたあまりシャワーさえ浴びず、ちょっとだけのつもりでベッドに湯横になって気づいたら空が光をたくわえているという次第。今回は、それにぎっくり腰気味の朝というオプションがついたというだけのことです。それも、だいぶよくなってきました。
 合歓の木がなくなったとはいえ、道路の前には大きな木がまだまだあるし、旧国立図書館の建物もある。これらをきちんと活用していけば、すてきな図書館・ホールができます。こどもの家にあつまるこどもたちをみていると、あの活気がもっとひろがって新しい図書館ホールを満たす様子が、思い浮かびます。

Posted by: 玉井一匡 : May 21, 2006 10:42 AM

ご無沙汰しています。腰を悪くしているとは知りませんでした。長い飛行機の移動は一番堪えますよね。今度は、ご一緒できるように日程調整を慎重にやりたいと思います。ご苦労様でした。

Posted by: 井ノ口登 : May 20, 2006 06:17 PM

いのうえさん コメントおそくなってごめんなさい。今日はもう9割がた腰が回復しました。普通の状態、健康な状態であることをとてもありがたいことだと、つくづく思います。昨日までは、寝て起きるときにはまず俯せになって膝と両手をついて上体をおこしそっと立ち上がっていたのですから。・・・・なんて言っていても、すぐに忘れちゃうんでしょうが。
 ところで、柱の太さは地震という環境の違いの反映だと考えると、その違いが興味深いですね。建築に及ぼされる力は重力と地震や風力なのですが、重力はほぼ一定です。しかし、地震は力の大きさも性質も不確定です。不確定なものを計算に取り入れるには、それをどのような大きさ性質をもつものであるとするかという約束事を作らなければならなりません。だから、問題のマンションでも、計算の方法によって耐震強度の違いに大きな差がでてしまう。じつは耐震強度ではなく耐震強度の予測だから違いがでるのですね。地震がないという環境では、不確定な要素を予測という約束事にもとずいて計算する必要がないんだと、実感します。
とはいえ、「地震がない」ということも、じつは「事実」ではなくて、地球規模の時間からすれば僅かな時間の経験にもとずいた「約束事」なのですね。それでも、人間の時間の尺度からすれば長い時間の経験の積み重ねにもとづいているわけです。それにひきかえ、僅かな時間の経験とそれをもとにした数々の約束事によって作られる超高層の建築は、とてもあやういものなのかもしれない。ワールドトレードセンターの一部に穴があいただけで、あんな風に全体が木っ端みじんに消え去ってしまうとは、だれも予測しなかったことなのですから。
 いや、それだけではない。あれほどの殺人と破壊がいまだに続けられている戦争でさえ、薄弱な根拠にもとづいて「大量破壊兵器がある」という予測によってなされたのでしたね。

Posted by: 玉井一匡 : May 18, 2006 05:43 AM

玉井さん おかえりなさい! やはり図書館の柱は細かったんですね。 それがその土地にあった建築なんでしょうねぇ。 ラオスという美しい場所、 玉井さんにとっての MyPlaceのひとつが グローバリズムという押しつけ標準で乱開発されないことを祈念します。 

腰が早くよくなられますよう。 

Posted by: いのうえ : May 16, 2006 11:35 PM

空気が透明ですね。その場で見るよりもデジカメに撮った写真をディスプレイで見ると、こんなに空がきれいだったのかと改めて感じるのです。道路などはけっこうホコリっぽいところがあるのに、バンコクなどから比べれば、まるで田舎町のようにクルマも少ないし樹木も多いからでしょう。今から先進国に経済的に追いつこうとすればグローバリズムの餌食になるでしょう。むしろ、環境のよさ自然との近さをアドバンテージにしていったほうがいいだろうと、ぼくは思います。

Posted by: 玉井一匡 : May 16, 2006 10:51 PM

玉井さん、お疲れ様です。お具合よくなってきましたか。拙展示も今日明日(16,17日)はお休みですので、私も小休止です。お写真とても好いですね。空気の綺麗な感じがします。ご無理なさらずお体休めて下さいね。

Posted by: neon : May 16, 2006 08:56 AM

わきたさん 「お前は、いくつになっても若いつもりでいる」と、友人にいわれますが、気持ちと肉体のギャップがますます拡がってしまいます。出発前にインターネットで向こう一週間の天気と気温を調べましたが、バンコクもヴィエンチャンも33〜34°Cで、大したことはないと思いましたが、行ってみるとやはり日差しは強い。それでも、東京のようなまちの暑さよりは、ずっと気持ちいいと感じます。で、調子に乗っていつまでも日向にいて、この始末です。帰りがけに半日のトランジットの時間があったので、タイの友人がバンコクの国立病院のタイ式マッサージに連れて行ってくれて、2時間も厳しく痛みに耐えました。おかげで疲れは全くなくなりましたが、腰の痛みはまだまだしぶとくあります。
今日は早く帰ってゆっくり入浴、千年灸をやって早寝です。

Posted by: 玉井一匡 : May 15, 2006 08:57 PM

玉井さん、腰の具合はいかがですか?どうか用心をなさってください。私のばあい、まだ若い頃、筋肉がしっかりついていた頃は、かえって腰痛になりました。年をとって、筋肉がおちて無理をしなくなったので(できなくなった)、なにか腰に“予感”がすると用心をするので、最近はあまり腰痛が登場しなくなりました。不思議なものですね。ラオスは、この季節は乾季でしょうか。タイだとこの季節、むちゃくちゃ暑いんですけどね。タイにいったとき、室内のクーラーはむちゃくちゃきいていて、屋外はむちゃくちゃ暑いので、体調が悪くなったことがあります。ところで、ヴィエンチャンの橋の写真、とっても素敵ですね。でも暑いんでしょうね。暑さが苦手なんです。

Posted by: わきた・けんいち : May 15, 2006 08:08 PM

わきたさ〜ん 順番が逆になってしまい失礼しました。
そうなんです、ヴィエンチャンにいたのでした。前回は、現地のNGOの事務所のおかげで、ホテルの部屋からインターネットにつなげられたのですが、今回はダメでした。ネットカフェも近くになくて、腰痛もありコメントもついつい遅くなりました。
現場では隔靴掻痒の連続ですが、それだけに、行くだびに興味深い発見にこと欠きません。Googleが世界中の本のデータベースを作ろうとしている時代に、年間に60点くらいしか書籍が発行されないというラオスで、図書館とはいかにあるべきかは、とてもむずかしい問題です。本が少ないという状況が、かえってアドバンテージになるかもしれないと僕は思いますし、そう言ってもいます。

Posted by: 玉井一匡 : May 15, 2006 07:06 PM

neonさん nomadを見ずに死ねるかです。腰痛を道連れにかえりました。もう、始まりましたね。近いうちにうかがいます。

Posted by: 玉井一匡 : May 15, 2006 04:20 PM

masaさん 穴には落ちませんでしたが、軽いぎっくり腰に10年ぶりくらいで陥りました。そろそろと及び腰で立ち上がり、しばらく歩いているうちにすこしずつよくなってはきます。

Posted by: 玉井一匡 : May 15, 2006 02:41 PM

玉井さ~ん、今回は、側溝とか穴とかに転落なさらないようになさってくださ~い(^^;

Posted by: masa : May 15, 2006 01:52 AM

玉井さん、道中お気を付けて、お元気にお帰りになって下さいませ。写真も楽しみです。

Posted by: neon : May 14, 2006 07:22 PM

玉井さ~ん、ヴィエンチャンですか!!どうりで、連絡がとれないはずですね(--;。ところで、ご帰国はいつ頃でしょうか。20日のことでご連絡さしあげました。それはともかく、ヴィエンチャンですか。よろしいですね~。で、メコン川ですか。これまた、いいな~。カンボジアとタイには行きましたが、ラオスはまだです。ラオスって、竹の国だったような記憶があります。

Posted by: わきた・けんいち : May 14, 2006 12:43 AM
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