June 17, 2006

まちかど建築写真展とガイドマップ


 いま、目白バ・ロック音楽祭という催しがひらかれているが、その一環として「まちかど建築写真展」が三春堂ギャラリーで開かれている、と書くべきなのだが、ぼくは最終日の昨日になってやっとうかがったので、「開かれていた」としか書けないのが残念だ。
開店まで時間があったので、途中でカフェ杏奴に寄ってひと休みした。こういうのをChinchiko Papaがお作りになったんですよと、ママが見せてくださった「目白・下落合歴史的建物のある散歩道」は、すでにブログで知っていたが、とても楽しそうなイラストが入っているし道は正確に書かれているいい地図だった。チャイを一杯飲みながら店の地図を楽しんだ。帰りがけにこれも一部といってレジで渡したらママは怪訝そうな面持ち。三春堂ギャラリーでお求めになったほうがChinchiko Papaさんがお喜びになりますよという。そりゃそうだといって自転車に乗った。

 まだ開いたばかりのギャラリーにはChinchiko Papaがひとり。
「この地図どうですか」と、まずはガイドマップをすすめられた。chinchikopapalogの内容の充実ぶりは、ブログを開いてみると多くの人があきれてものがいえないほどなのだが、そのblogに書かれている数々、現実の町、そしてこの写真たち、ガイドマップはそれらをつないで、ひとつの世界を構成する。「ぼくの学生時代からすれば、こういう建物は半分くらいになりました」というChinchiko Papaの口調には、とてもいたましい思いが込められているようだったが、バブルによる破壊の時代を経たことを思えば50%というのはむしろ奇跡的なほどよく残されていると、ぼくには感じられた。きっと、下落合や目白にはまちを愛している人たちが多いのだ。中村彝のアトリエが、ほとんど手を付けられずにそのまま残されているという奇跡的なことがあったのも、住み手個人のおかげであるのはいうまでもないが、まちのそこここに古い家が生きていることも少なからぬ力を及ぼしたはずだ。
「新宿区の教育委員会が保存するべく調査を進めているそうです。しかし、問題は予算で、現在お住まいの方は、アトリエを含む30坪ほど分けて売ってもいいとおっしゃるんだが、できれば全体を買い上げて保存してほしいですよね」
「まずは、第一歩として一部からはじめるのもいいでしょ。一部の土地でも、アプローチできるんですか?」
「となりに公園があるし、狭い路地もつながっているんです」
不要な道路やダムは、いまでも作られているというのに、重要文化財に指定されている「エロシェンコ像」の描かれたアトリエを残せるかどうか分からないのだ。ともあれ、建物たちはまちの中に分散するおかげで、blogと写真展とまちとひとというレイアをひとつにまとめる写真展だった。

*ガイドマップ「目白・下落合歴史的建物のある散歩道」は、会期後はカフェ杏奴三春堂にて200円で販売します。

投稿者 玉井一匡 : June 17, 2006 06:57 PM | トラックバック
コメント

うーん、きっとそう見えるんじゃないかなあ。
でも、これは褒め言葉ですよ。喧嘩っ早いというより、優位な立場にあることをかさに着るやつに我慢のならない人を、僕が好きだからでもありますが、2.26の朝に兵隊を相手にして「バカのひとつ憶えかい! 用事があるのさ、どきな!」とタンカを切ったというお祖母さまの姿が目に浮かぶからでもあります。
ぼくもお祖母さまにお会いして、話をうかがいたかった。
http://blog.so-net.ne.jp/chinchiko/2005-01-24

Posted by: 玉井一匡 : June 19, 2006 02:09 AM

ブログだけ読まれてますと、わたし、そんなに頑固オヤジでケンカっ早くみえるのでしょうか。(笑)
確かに、根が下町ですから血の気がほんのちょっぴり多いのは遺伝のせいかもしれませんが、ふーーーむ、困りました。(^^;

Posted by: Chinchiko Papa : June 19, 2006 01:29 AM

*Chinchiko Papaへ ごくろうさまでした。区長もいらしたとあれば、おおいに期待したいですね。期待されるのはわかりきっているのにいらっしゃるのはそれに応えようという気持ちの現れでしょうし、少なくともそうしたいという強い志を示されたのでしょう。

*皆さんへ まだ会っていらっしゃらない方は、Chinchiko Papaはかなり年配の方だと思うことが多いようです。そうとう喧嘩っ早そうだから、いかつい血気盛んな男だと想像するかもしれない。じつは、ぼくなんかよりずっと若くて、一見したところすこぶる柔和でありながら、堅固な意思の持ち主なのです。だからこそ区長の信頼を得ているのでしょう。「たぬきの森」もあります。

Posted by: 玉井一匡 : June 18, 2006 10:10 PM

わざわざ写真展にお越しいただき、またブログへのご紹介をありがとうございます。
きのう現在の情報ですと、教育委員会の記録調査は順調に進んでいるようで、もうひとつ区議会のほうも保存へ向けてけっこう前向きだ・・・との感触が伝わってきてはいますが、かんじんの新宿区役所の対応がどうか、というところですね。
区長も写真展にみえて、中村彝のアトリエ写真や画集などにも目をとめていただけたことですし、ほんの微力ながら区へのアピールになったんじゃないかな・・・と期待しています。
ただし、たぬきの森(継続中ですが)や刑部人邸の例もありますので、決して楽観はできないと認識しています。11月に区長選も控えており、とても流動的な状況ですね。
なにはともあれ、貴重なブログページに取り上げてくださり、ほんとうにありがとうございました。

Posted by: Chinchiko Papa : June 18, 2006 07:47 PM
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