August 04, 2006

「子犬のカイがやってきて」

「子犬のカイがやってきて」 清野恵里子・文、スソアキコ・絵 幻冬社刊 1300円

イラストを描いたからと須曽明子さんが送ってくださったこの本は、なかなか難物だった。とはいっても、難解なわけではない。犬との暮らしを綴った本なのだから、犬党のぼくにとってはのんびりひなたぼっこをしながら読むにはもってこいのはずなのだが、とんでもない。

ぼくが勝手に思い描いている晩年の生活には犬がいる。たとえば以前にエントリーしたヴィエンチャンのDAY INN HOTELの人なつこい犬のように穏やかな犬が一匹、そしてMacが一台あれば、あとは自分でいくらでも幸せな晩年をつくり出せるなんて思っている。
ところが、この本には、どのページも犬との暮らしの大変さであふれていて、この人たちは全盛期には7匹の犬と生活をともにしていたという。そいつらがつぎつぎと引き起こす苦労の数々。ところがそれに対して得られるはずの幸せな報いについてはほとんど書かれていないので、好き好んでの茨の道に胸が痛んでしまう。スソさんとはときどきお会いするが、著者やプーさんとは一度ぐらいずつしかお会いしたことはないのに間接的にはとても近いところにいらっしゃるので、なおさら大変さに実感が伴う。しかし、犬を愛する人にとってみれば、かわいさについてはあえて言うまでもないのだ。だから、ここにもあまり書かれていないのだろう。読み終わったあとでそう気づいた。
いつもの須曽さんのイラストの人物は、どこかに意地悪さや毒をひそめていて、ムーミン村のミーのようなところがあるのだが、この本のイラストには毒が少ない。ここでは、むしろ悪戯の証拠のイラストさえどこかにかわいらしさがひそんでいるようで、いつもとは逆だ。スソさんのサイトには、写真を添えて、この本の裏話も書かれている。

こういう話を聞くと、ぼくはミヒャエルエンデのことばを思い出すことがある。友情や愛や勇気という、だれもが肯定するようなものは、「・・・ゆえに」ではなく、「・・・であるにもかかわらず」持つことができてこそ、尊いのだと。

投稿者 玉井一匡 : August 4, 2006 10:22 PM
コメント

kadoorie-aveさん 書いてくださったアドレスを開いてみました。ぼくの思っていたのとは違う番組だったんですね。いつからなのか憶えてもいませんが、このごろは仕事をしながらFMを聞くということをしなくなっていましたから、番組とインターネットを連携させるというやりかたによって、放送が消えてゆく瞬間ではなく蓄積される時間に変わるのだなと、当たり前のことを再確認して感心しました。この番組は違うようですが、インタビューを音声で再現できるというサイトもありますね。インターネットは、ラジオの味方のようです。

Posted by: 玉井一匡 : August 23, 2006 04:42 PM

しつこくこちらへの書き込み、すみません。
先日のJ-WAVEの放送、私が聴いたのはこちらでした。
http://www.j-wave.co.jp/original/rendezvous/
ラジオなど次々に素敵な取材が舞い込んでいるようで、静かだけれど
確実な広がりを感じますね。すごいなぁ!

Posted by: kadoorie-ave : August 23, 2006 02:49 PM

kadoorie-aveさん FMの放送の発見とコメントをありがとうございました。高橋克典さんの番組ですよね。ぼくは、あいにく聞くことができず、様子を聞きました。とてもいい受け取り方、聞き方をしてくださったとよろこんでいました。
高橋さんはご夫妻で試写会にいらしてくださったあとで、力になることを約束してくださり、赤坂のコンサートにも総勢5人でいらしてくださりました、この番組もそのひとつなのです。
 ぼくはハノイ経由でビエンチャンの仕事に行って来ましたが、kadoorie-aveさんのイラストのキャラを思い浮かべながら、バイクの洪水とクラクションの蝉時雨は、闘牛のごとくかわして道を渡るゲームとして楽しめばいいのだとわかりました。ハノイにも惚れてしまったぼくは、まちに惚れっぽいようです。
寝不足もひらりとかわせた年代が、ちょっとうらやましい。時間ができたら、杏奴でチケットを購入してもんしぇんを見に行ってやってください。よろしく。

Posted by: 玉井一匡 : August 20, 2006 05:27 PM

玉井さん、最近のキーボードはひ弱で、肘を使うとすぐに割れちゃうんですよね~。こんど、坂田明さんと一緒に仕事することになってます(^^;;;。ところで、玉井さんとは少し年代が違うため、ヴェトナム戦争のとき、まだほんの子どもでした。でも、子どもなりに、ベトコンを応援していたように思います。まわりの大人のせいかしら?県内の有名なタイヤ工場の製品がヴェトナムの米軍で使われている・・・てな授業も受けました(福岡にいたとき)。玉井さんのエントリー楽しみにしています。

Posted by: わきた・けんいち : August 20, 2006 04:35 PM

わきたさんただいま 帰って来ました。日本時間で1:53発で4:30ころに朝食で起こされ、「飯よりも眠っていたいんでパスします」と、大人でない私は言えず、その後は夢とうつつの間をただよいつづけています。
肘も使ったブラインドタッチと聞くと、山下洋輔のピアノのようにキーボードを肘で叩くのかと、わきたさんならやりかねない思ってしまいますが、もちろん肘を支点にしてその先を動かすということでしょうね。
ベトナムは、改めてエントリーします。

Posted by: 玉井一匡 : August 20, 2006 01:07 PM

玉井さんこんにちは。先日(15日)仕事中に流していたラジオで偶然、「もんしぇん」を紹介しているのを聴きました。「もんしぇん」のサイトにも放送のことは書いてあったのに、気付かずにいてちょっとドキドキ。夕海さんのインタビューや『脈動変光星』も流れて、ラジオにしては?丁寧で心のこもった紹介でした。まだ映画を観ていないのに、すっかり嬉しくなってしまいました。
8月中、仕事が目一杯で仮眠時間以外ほとんど仕事用の椅子に座り続けている有様ですが、どうにか抜け出す時間を作って一角座に飛んでいきたいと思っています。昨日、仕事の納品で神楽坂を歩いていて『そうだ、玉井さんのところにラジオのことを書き込もう...』と思い出しまして。(エントリーのタイトルと関係のないコメントでごめんなさい。)

Posted by: kadoorie-ave : August 19, 2006 11:03 AM

玉井さん、こんばんは。「かな入力で機関銃のごとくもうれつな勢いで書き込みをされる」というのは、ちょっと大げさですよね~(^^;;。まあ、「かな入力」というのは、僕の世代としては、珍しいでしょうね。「かな入力」の問題点は、「ローマ字入力」と比較して、ミスタイプが多いということです。「ホームページ」と打つばあい、「シ」以外は、すべて右手の小指で打つ必要があります。こうなると、指だけでなくて、肘も使う必要があり、このときは、ブラインドタッチというわけにもいかなくなります(^^;;。ところで、ヴェトナムなのですが、僕の印象では、「野菜が豊か」ということです(米はいうまでもありませんが)。玉井さんが飛行機からみたとき、そんな蔬菜畑が見えませんでしたか?って、そこまでは見えませんね(^^;;。帰国されたら、はやくエントリーなさってくださいね。本当に、マジで、楽しみにしていますので。

Posted by: わきた・けんいち : August 18, 2006 08:50 PM

わきたけんいちさん 相変わらず早速のコメント、ありがとうございます。masaさんに聞いて以来、わきたさんがかな入力で機関銃のごとくもうれつな勢いで書き込みをされるという様子が目に浮かびます。じつは、上空を飛んだだけで、ぼくのヴェトナム観がすっかり変わったということをまずは書きたいと思ったのでした。どんな風に変わったかについては、また改めてですが。
 

Posted by: 玉井一匡 : August 17, 2006 12:43 AM

玉井さん、こんばんは。そうですか、ヴィエンチャンでしたか。ネット環境がひどいようで、ますますフラストレーションがたまっていらっしゃるのですね。ハノイでの一泊、楽しんできてください。私は、辛くなく、野菜たっぷりのヴェトナム料理が好きなんです。でも、玉井さんの世代は、そんな暢気な感じではないのでしょうが。ヴェトナムに関するエントリー、首を長くしてお待ちすることにいたします。

Posted by: わきた・けんいち : August 17, 2006 12:23 AM

じつは今、ぼくはヴィエンチャンのインターネットカフェFastestNet(以前のエントリーで書いたことがあります)でこれを書いています。はじめてiBookを連れずに来たもので、夕食のあとでインターネットカフェに来ました。昨日も、食後にすぐさま同じところに来て、kai-wai散策のコメントの繁盛に感心したりしているうちに、横を見るとビールをたっぷり飲んだ同行者はコックリコックリ。やむなくホテルに帰りました。今日は彼にホテルに帰ってもらい一人でやってきたので、気兼ねなく読むことも書くこともできます。しかし、慣れないウィンドウズにもどかしいかぎり。
今回はハノイ経由なので帰りはハノイで一泊しますが来る時にはトランジットで外には出られず飛行機の窓越しにヴェトナムの農村を
GoogleEarthしただけなのに、書きたいことがたくさん浮かび、僕たちの世代にとって、ヴェトナムは特別な場所だったのだと知りました。
ところが、自分のブログを書き込むやり方が分からず、自分のメールのチェックもできず悔しいかぎりです。

Posted by: 玉井一匡 : August 17, 2006 12:14 AM

玉井さん、こんばんは。masaさんのブログのエントリーに「iBookが不治の病になってからというものめっきりエントリーが億劫になってしまった」とお書きになっていますが、そ、そんな~。iBookの問題もあるのでしょうが、ぜひにでも、復活していただきたく、どうかよろしくお願いいたします。長~~いコメントを読めないのは、やっぱり寂しいです。

Posted by: わきた・けんいち : August 16, 2006 01:03 AM

どうもkadoorieさん、よそのブログではよくお目にかかるし、カフェ杏奴では「ノオト」でも人形の本物にもお会いしていながら、ここでは初めましてですね。
そういえば、あなたのイラストのお嬢さんも、一筋縄でいかないわよっていう表情が、ぼくはとてもすきです。ちょうど、彼女のすきな香港のまちのようですね。須曽さん本人は毒など何もないけれど、いつだったか私もミーが好きなんですと言っていらしたことがあります。

Posted by: 玉井一匡 : August 5, 2006 05:57 AM

こちらでは...「はじめまして」でしょうか....?こんばんは。
犬を飼ったことがないのに、いつも犬と一緒の自分を夢みている私としては、イラスト、装丁デザイン共に一目惚れです。
スソアキコさん、以前から「お気に入り」にいれていたHPのかたでした。

きっと書店で見たら手に取って...レジに直行!です。

Posted by: kadoorie-ave : August 5, 2006 01:23 AM
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