January 26, 2008

デートDV

DateDV.jpgデートDV /遠藤智子/1,260円

1月20日につくばみらい市の市役所が、公民館でDV(ドメスティック・バイオレンス)についての講演を開く予定だったが中止された。講演に反対するメールが多数送られ、スピーカーを市庁舎に持ち込んで反対した男たちがいたので、混乱を避けるとして市がこれを中止したというのだ。夫や同居する男に暴力で支配される女のひとたちを救おうとする行動に反対するということがまず分からない。それを強引にやめさせようとする人間の主張を、市役所が受け入れる論理がわからない。
 2004年の警察の統計で、夫による妻の殺人は1年に127件という。3日にひとりの妻が夫に殺されたことになる。殺される前の暴力にさらされている人たちはそれよりもはるかに多いはずだ。しかし、そういう深刻な事態はあまり知られていないし、ぼく自身、娘がDVシェルターに実習で行っていたときに知ったことだった。それを広く知ってもらうために開こうとする講演を力ずくで中止させようとするには、どういう論理があるのだろう。
 現在あるいは過去の婚姻や内縁関係にある男女間のDVには、充分ではないにせよDV法がつくられている。しかし、この法は恋愛関係にある男女間の暴力は対象にされていない。「デートDV」は、そういう暴力が想像以上に多いこと、その予防や対処について書かれた本だ。

「デートDV」をキーワードにGoogle検索をしてみると267,000件あった。それは、もちろん、問題の多さを示しているのだが、中にはデートDVを防止しようという活動に反対するサイトも含まれていて、つくばみらい市のできごとを反映している。著者の遠藤智子さんはDVシェルター全国ネットのNPOの事務局長。この本の前にも、共著の「女性たちが変えたDV法」がある。国会にはたらきかけて超党派の議員たちと協力してDV法の改正にこぎつけた経過を書いたものだ。「デートDV」の印税はNPOに寄付されます。

つくばみらい市の講演中止に抗議し、改めて開催を求める署名活動が行われている。締め切りが1月28日で、もう駆け込みになってしまいましたが、下記の書き込みサイトから即時ネット署名できます。
 署名フォームはこのサイトへ:1月28日締め切り
■新聞による報道
「DV防止法:反対団体の抗議で講演会中止 つくばみらい市」@毎日新聞(1/18)
「抗議受け市の講演会中止に DV被害支援めぐり」@MSN産経(1/17)
「DV防止法講演会 団体抗議で中止に つくばみらい」@東京新聞茨城版 (1/18)

*このブログでエントリーした「吉原御免状」は、遠藤さんに教えてもらった本だ。

投稿者 玉井一匡 : January 26, 2008 02:14 PM
コメント

同和問題をご存知でしょうか?
部落差別をなくすための運動が暴力団関係に占拠されている事実です。
なぜそうなったのかというと行政が運動の実態に関係なく金をばら撒いたからです。
そういう実態があるにも関わらず多くの人に気づかれなかったのはマスコミや行政が暴力団の報復を恐れて見てみぬふりをしていたからです。

DV運動と称するものも殆どがインチキと思われます。
中には極右団体の元代表の男性が左翼的な言動で運動に入り込むという事も珍しくありません。

デートDVなる運動が流行っているという理由の一つにはDV自体が飽きられてきたという事があると思います。
数年間でDVやデートDVが数倍にも激増する訳がありませんから。

単にブームに便乗している活動家が殆どです。そしてジェンダーフリーのように飽きられてしまうでしょう。

同和のようにタカリの構造にならないように考える事が必要だと思います。
暴力団の手に落ちた後では遅いのです。

Posted by: ディヴィ夫人 : March 9, 2008 04:24 PM

kadoorie-ave さんのおっしゃる通りですよね。
DV男性は 弱いものにしか力を示せない。
第一 「力を示さないと 自分の存在を確認できない」ところから 情けなく腹立たしく悲しい。
そんな考え方、諸悪の根源ですね!!

どちらかが「自己否定」の泥沼から出ないと この構図は崩れないので 本当に難しい。
私の知る限りで 言葉や態度というのも入れると 女性に暴力を振るわない男性は 皆無に等しいです。私が相談に乗って来た女性達は 結局「別れる」という選択しか 生きる道を見つけられませんでした。
kadoorie-ave さんのおっしゃる「 自分の小さく弱い殻を守ろうとする力にはすごいものがあります」ということなのでしょうね。
男性達は その小さなシェルターから 決して出ないのでした。

命の危険すら感じている女性が多くいる事、みんな知っているのかなあ?

Posted by: 光代 : January 27, 2008 11:35 AM

adoorie-aveさん
男にこうした相談はしにくいでしょうから、ぼくは話を直接にうかがったことは一度もありませんが、切実な問題が、やはり身近にあるんですね。
DVをふるう男は、外ではむしろ我をころして人あたりがいいので、まさかあの人が・・という受け取られかたをされることが多いのだそうです。だから、ストレスをかかえ、それを家庭で「解放」することになるのでしょう。
しかし、adoorie-aveさんのようなよき相談相手を持っているひとは、不幸中のさいわいですね。誰だって自分の悩みで手一杯なのだから、相談を受ける方にとってはたいへんなことですが。

Posted by: 玉井一匡 : January 27, 2008 09:37 AM

光代さん
かつて、レイプの被害にあった人が周囲からむしろつめたくあるいは忌まわしいものであるかのように扱われるということを知って、唖然としたことがあります。それもやはり「本人にも責任がある」という見方が、警察にすらあるのだそうですね。DVのばあい、被害者自身が、自分にも責任があると思いこんで悩みを深めてしまうことが多いのだそうです。
その意味でも、こういう問題が多いのだということを多くの人に知ってもうらうことは大事だと思うのです。

Posted by: 玉井一匡 : January 27, 2008 09:34 AM

私のすぐ身近に、夫からのひどいDVに怯えて人格さえ破壊されかけている女性が何人かいます。逃げ込んできたり相談されたとき、とにかく話を聞いたりシェルターやカウンセラーのことを知らせたりはしていますが、下手にこちらから連絡することもできなかったりしてもどかしく、オロオロするばかりです。
カフェ杏奴で玉井さんたちにお会いしたとき、「よく『実は...』と人から打ち明け話をされる」と冗談半分にお話ししましたが、実は「助けて。実は...」と震えながらDVの相談をしてきたひとたちもいるのです。
結局、暴力を振るう人たちに共通しているのは、何か大きなコンプレックスやストレスを抱えているのだけれども、それを直視したり、解決しようとする勇気はこれっぽっちも持ち合わせていないということです。自分の小さく弱い殻を守ろうとする力にはすごいものがあります。そしてイライラをを弱そうで安心できる相手に、軽蔑という形に変形させてぶつけることで、力を得たよう気になっているように見えます。
早速、つくば市への署名をいたしました。DVに関する講演会のどこが「偏向した内容」なのでしょうか。日々恐ろしい思いをしている人たちがどれほどいるか、その人たちの立場になって想像することはないのか...。地の底にいるような、彼女たちの暗く沈んだ目が頭から離れることはありません。

Posted by: kadoorie-ave : January 27, 2008 02:16 AM

私は 男性は女性に暴力をふるっても良いと思っていると感じます。勿論 腕力による暴力なら ほとんどの人がいけないと言うでしょう。
今時 まさかね!

けれど 言葉や態度によるものは とんでもなく多いと思うのです。
「無視」それもDVですよね。

いじめもそうですが、このようなものは 「される側にも原因が有る」の一言で 正当化されてしまいがちです。

どんな理由があっても殺してはいけないように どんな理由があってもいじめてはいけないし、どんな理由があっても 無視など態度でも暴力をふるってはならない。そんなことが分かっている男の人は 一体何人いるかしら?

このエントリーを 男性である玉井さんがしてくださった事に 心から感謝します。

Posted by: 光代 : January 27, 2008 01:31 AM
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