May 16, 2008

塔状住居

NagamihinageshiHouse2S.jpgClick to PopuP
数年前にフランス人がすてきな塔状住居を発見した。タンザニアの森林と切り立った崖地の間にできた平地に並んでいる。といっても、それまで存在しなかったかのように、よそから来たやつが発見した発見したと騒いでいるに過ぎないのであって、この住居は何百年も前からこんな具合につくられているのだ。
1)ユーカリの一種に、直立した幹から水平に何段も枝を広げる木がある。その枝を、ほどよい高さに様々なかたちと大きさの扇形になるように残して、その他は切り落とす。下から上にすこしずつ高くしてゆく。F.L.ライトの設計したニューヨークのグゲンハイム美術館の螺旋の床を水平床の連続にしたようなスキップフロアだ。
2)水平の枝のうえに竹を組んで扇形の床をつくる。
3)この地方の崖に張り付いているツタを、左右に伸びているのをできるだけそのままはがし、葉をおとすと、絡み合った蔓が網のようになっている。それを、多くの場合は6枚ほどにわけたものを上から地面まで吊り下げる。つなぎ目は重ねて編み込むようにし、床に固定して提灯型の網の筒をつくる。
4)その上から、乾燥したハスの葉に油を塗ったものを数枚張りかさねてゆく。最後に、ゴムの一種の樹液を塗って数日のあいだ乾燥させれば、膜はピンと張ってできあがりだ。葉を張るときには、蔓の網の目に足をかけながら進めてゆき、最後には地上に立って作業をする。
*最上階だけはパノラマ展望台のように360度の見晴らしがあるが、他の階には窓がない。でも、床は竹を組んだザルのようなものだから、光は上から下に、空気は下から上に流れる。壁をつくる膜からも光が差し込む。屋根は椰子の葉を重ねたものでそれがおだやかに漉された光を通すのだ。

NagamihinageshiHouse3S.jpg・・・なんていう想像をぼくはしてしまったが、じつはナガミヒナゲシの実なのだ。昨年、この花のことをぼくは「ナガミヒナゲシ:生き残るための美しさ」というタイトルでエントリーした。その花が、この初夏の時期になると花を終えて実をふくらませ、それが緑色からしだいに枯れた褐色に変わってゆく。ぼくは、この種子を持って行ってどこかにふやしてやろうと思って、信号待ちのあいだに立っていたところの脇の植え込みに生えているやつの褐色になった実を選んでポケットに入れてきた。
事務所についてポケットをさぐると、「芥子粒のような」と言われるとおりのちっちゃな種が無数こぼれている。緑色の時はこういう形をしているのだが、てっぺんのフタのような部分がすこしずつ上に押し上げられ細い隙間がつくられて、そこからタネが外に送られるのだ。なんという精妙な仕掛けだろう。
「ナガミヒナゲシ」と「種子」でGoogleを検索すると、ちゃーんとこまかい観察と記録を残している人がいるのだ。
「野草雑記 ナガミヒナゲシ」というサイトがあった。ここには、フタが徐々にひらく様子をとった興味深いムービーまである。ひとつの実で1600個平均のタネができるのだという。

投稿者 玉井一匡 : May 16, 2008 01:35 AM
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