March 12, 2009

モモの花とビニール袋

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 きのうの夜はつめたくて強い風が吹いた。これからの季節、そういう日の翌日は朝の散歩ルートのところどころにちょっとした楽しみがある。
案の定、モモの木の下に20ほどのつぼみが階段の下と踏面に散っている。すでに開いたやつもあればまだ固いつぼみもある。おそらく今年もヒヨドリのはからいなのだろう。いつもは桜なのだが、今年はモモの花なので半月ほども早い。
透明のグラスに水をいれて、そこに首を刎ねられた桃の花たちを浮かべ、帰りがけに摘んできたペンペン草が白い花をつけたのを5本ほど挿した。
風はまだずいぶん冷たいのに、ああまた春がすぐそこに近づいたんだと思う。

 そういえば先日、この公園の入口にある階段の下で、ランドセルを背負った少年に出会ったときのことを思い出した。

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 雨の翌朝、3年生くらいの男の子が運動靴の右足を白いビニール袋の中に入れて、手かけのところを足に縛りつけていた。
じつは、それを見てぼくは彼が何を考えているのが分かったのだけれど聞いてみた。
「なんだい、それは?」
「階段の上に水たまりがあるから・・・」
「左足はいいのか?」
「左側は水のないところがあるから大丈夫」
「なるほど」
階段をのぼったところの右はコンクリートの擁壁が上に高く、左にはネットフェンスがあって10m ほどの擁壁の下を妙正寺川が流れている。その間の細い道には、雨が降ると水たまりができる。ビニール袋に足をくるんで、そこを歩くときに靴が濡れないようにしようというのだ、彼は。
「ぼくは水に入って汚れてもいいように、裸足にサンダルを履いてくるんだよ、ほら。水がたまってたら、君を抱いていってあげるよ」
「ほんと?」
「うん、いいよ。きみたちは集団登校じゃないのかい?」
「遅刻したから、こっちは近道なんです」
うちの娘も同じ学校だったから地図を頭に浮かべられるけれど、断じてその道は近道ではない。普通の道を行けば距離だって近いのだが、階段ものぼらないでいいし、ビニールの袋を履かなくたっていいのだ。
階段の上に行くと、もう水は引いていたので彼を抱えることはなく、クーが用を足しているのを待っているうちにボウズは先に公園を抜けていった。(この2枚の写真は、後日の雨の日に撮ったものです)

 ぼくが公園を出ると、道路を渡るところだった少年はガードレールを越えようとしていたらぼくに気づいたようだった。
「ここで渡っちゃおうかなあ・・・・」と、ぼくに聞こえるようにだろう、声にした。
近頃のテレビ番組で、あらかじめ次の画面を知らせるテロップが出て来るのに似ていた。
「遅刻ぐらいしてもいいから、気をつけろよ」
「うん」と言うなりクルマがとぎれたスキに新青梅街道を渡っていった。

こういうバカなこと(ガードレールを越えることじゃあないですよ)をする男の子が、ぼくは好きだ。
そのあと、彼との会話を思い出しながら笑いをかみ殺しつつ歩いた。

投稿者 玉井一匡 : March 12, 2009 04:42 PM
コメント

光代さん
 このごろ、「ガキ」が外に生息しているのに出会うことがとても少なくなってしまったものだから、こういう子がいると、ぼくはすっかり嬉しくなってしまうのです。
都会に限らず、日本中どこにいってもそう感じますが、こどもたちをそういうふうに追い込んだり誘導したりする環境と力を生み出しているのは大人たちでですね。
この階段の左側の白いフェンスだって、川底を掘り下げて流量を増やすための工事をしている囲いなのです。どこもかしこも舗装してしまったので、ちょっと大雨が降れば川は急に水かさを増すようになったからです。ますます川は危険になるから手すりを高くする。

 そんなところでも子供たちは、なんとかして遊びをみつけてしまうはずですよね。こどもたちからそういうがなくなってしまったら、未来はとてもやせ細ってしまうように思うのです。なんてことを思っていると、オヤジがいつまでも大人になれないですが。

Posted by: 玉井一匡 : March 14, 2009 11:42 AM

沢山の冒険をして 危険な目にあったり バカな事もして お家に帰ると何事も無かったような顔をして お菓子を頬張っているんでしょうね。可愛いな〜。
毎日 楽しい事を思いついたり ワクワクしたりしているんだろうな〜〜〜。素敵だな〜。

こんなところで声を掛けていくれる人が居るという事が どんなにこの子を支える事でしょうね!
大人はみんな 意識してでも そう言う事をしなくっちゃ!

Posted by: 光代 : March 13, 2009 10:56 PM
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