July 07, 2009

田辺一鶴一門会/松戸「席亭・宇」

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 ときは平成二十一年七月の五日、ヒゲの講談師田辺一鶴一門による講談の会が開かれた。ところは松戸の「席亭 宇」、料理屋の二階の宴会場として使われてきた和室三部屋、八畳間ふたつと十畳をぶっ通しにしたが、客は露地に見たてた廊下にところせましとあふれた。

 といっても、食い物屋の二階で気まぐれに開く古典芸能の夕べというわけじゃあない。この夜から、この場所を茶会やら仲間の集まりのために貸し出すのだが、ひと月おきに田辺一鶴一門の定席として一門会を開こうという船出。天丼と穴子丼を売り物にする「関宿屋本店」の二階を「席亭 宇」と改めてのこけら落としなのだ。この日は、一門の田辺星之助一乃(かずの)一邑(いちゆう)(出演順)に加えて、ゲストとして若い一龍齋貞鏡(ていきょう)を迎えた。一鶴師匠ははじめとトリの両方で高座に上がり、はじめに客に配った「童話しりとり」で講談の「修羅場」の入門指導の大サービス。
八畳の茶室のためにつくられている庭を舞台の袖に使ったから、弟子たちの高座となれば横の椅子から腰を浮かせて顔をのぞかせ、ついつい自ら仕草も出てしまうという風情に師匠の情があらわれる・・・というのが上の写真だ。弟子たちとゲストはそれぞれに芸風を披露して師匠はもちろん最後に十八番の「東京オリンピック」と「妖怪大戦争」。開会式の入場行進の参加国に、水木しげるの妖怪づくしの「修羅場」を一気呵成、立て板に水と披露して、今年八十の歳をものともしないところを見せた。

 6時から始まる会の前、3時半ころにmasaさんといっしょに会場につくと、師匠はもう二階にいらしてると聞いて階段を上がっていった。さすが高座のある日となればブッとんだ服装の師匠を見て胸が騒いだ。masaさんはカメラを持つ手がウズウズしているだろうから、紹介して写真を撮らせていただいていいでしょうかとうかがうと、いとも簡単にいいよとおっしゃる。ぼくはただ写真をとるmasaさんと撮られる師匠を見ているだけで樂しかったのだろう、気がついたら自分でとった写真は一枚もない。けれど、Kai-Wai 散策には、それはすてきな一枚がある。masaさんもディスプレイを見て大喜びしていた。

Ikkaku0705-2S.jpgclick to PopuP なにさま初めてのこととあって主催者側も勝手がわからないところに、一鶴師匠があちらこちらに声をかけてくださったおかげで朝日・読売・毎日新聞の千葉版に大きな写真入りで掲載されたうえにNHKでも話題にとりあげたから、60人ほどしか入れないところにたくさんのお客さんがいらっしゃるかもしれないと、一階の店にプロジェクターを置いてパブリックビューイングもやろうということになった。日韓ワールドカップの職安通りの様子を思い出させる。予定では、貞鏡さんのあとで中入りをとるはずだったのに、師匠は雰囲気が切れない方がいいからと中入りを取りやめて続けることになった。

 半分は畳に座布団という席のお客さんだったから休憩をとればいいのにと心配していたが、あとになって落語と講談の違いについて考えてみると、一鶴さんの考えも分かるような気がした。落語にとって「間」が重要であるなら講談にとってはとりわけ一鶴師匠の講談にとっては「勢い」で勝負するのだ。講談に出囃子がないのは、それ自身の持つ勢いというリズムや音楽性とぶつからないようにという計算なのではないか。講談の華は、一気呵成、ときには息継ぎもなしで攻めるところにあるのだろう。それを「修羅場」というのだということは、この席亭のための改装にかかわって一鶴さんや星之助さんとお話しているうちに初めて知ったことだ。
 松戸について、関宿については、もっと書くことがあるから、それは別のエントリーにしよう。

■修羅場:iPhoneの「大辞林」の「修羅場」の項目には二番目にこう書いてある。
「② 芝居や講釈などで、激しい戦いの場面。[講談では「しらば」「ひらば」という]」
■関宿屋:あるじの稲葉八朗さん手書きのイラストも含めて、すべて自作の公式ホームページで店の様子がよくわかります。
本店は天ぷらを中心とする料理屋で、となりには弟さんが腕をふるう「そば処 関やど」があります。ここもうまい。
■ゲイツイン ギャラリー 宇:交差点をはさんだ道路の筋向かいにある「ゲイツイン ギャラリー 宇」は、「席亭 宇」と対をなすアートギャラリー。
かつて鰻屋の店だったのを数年前に改装したから、大きく「宇」と書かれた鰻屋当時の看板をそのまま残すことにしてギャラリーの名称にも「宇」を加えた。
きもちのよいカフェではうまいコーヒーと焼き菓子もありますから、こちらにも寄ってみてください。

投稿者 玉井一匡 : July 7, 2009 07:55 AM
コメント

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Posted by: wwiyc : April 23, 2010 12:59 PM

Chinchiko Papaさま
ええ、Chinchiko Papaがやんごとなきかたで・・・
貨物駅については、やはり、そうお思いになりましたか。目白に貨物駅というのは、どう考えても不似合いですからね。
学生時代に学習院から樽の積み下ろしを見ているうちにあれはなんだろうということになって、のちにワイン工場に皇族の方々が見学に行らしたのではないでしょうか。そういえば日立クラブも、もとは学習院の学生寮でしたね。だから、あそこの図面は宮内庁が保管しているのだと、日立クラブの支配人にうかがったことがありました。

Posted by: 玉井一匡 : July 10, 2009 04:48 PM

実は、大黒葡萄酒の工場跡から、日立目白クラブ(学習院昭和寮)の寮4棟がどのように見えたのかを、興味がおありの方とご一緒して確認しているところでした。
わたしがシークレットサービスではなく、ご一緒していた方が婦警さん・・・に見えました?(爆!)
目白貨物駅のスペースは、わたしもチラッと玉井さんと同じことを考えました。昭和に入ると、貨物駅のスペースにプラットホームができるのですが、ひょっとすると何かのときに「やんごとなき人」たちのための臨時の停車場に使うためではなかったか?・・・と想像をふくらませていました。とりあえず屋根はなかったようなのですが、作ろうと思えばすぐに設置できてしまいますよね。

Posted by: Chinchiko Papa : July 10, 2009 12:08 AM

Chinchiko Papaさま
これなんです。
次は8月9日に開かれて、以後は隔月で一門会を開きます。そのうち、いらしてください。講談の、一門会の常打ちの小屋というのは、日本中ということは世界中でここだけでしょう。
http://chinchiko.blog.so-net.ne.jp/search/?keyword=大黒葡萄酒工場
ところで、あのとき見にいらしたのは、大黒葡萄酒工場跡だったんですね。あのときお二人が前後に並んで歩いていらしたので、近所にお住まいのやんごとなき方が警護のご婦人と歩いていらっしゃるようすを思い出してしまいました。
 大黒葡萄酒の映画も、遅ればせながら観ました。時代なのでしょうが、皇族がつぎつぎに登場しますね。ほんとは、それよりもワインの製法や運搬を細かに見せてほしいと思ってしまいました。そういえば、目白駅のあのあたりは貨物駅だったのかと、合点がいきました。
もしかするとあそこには、原宿のようにいとやんごとなききわが学習院にご来駕されるための駅をつくろうとしていたのかもしれないと、妄想もひろがりました。

Posted by: 玉井一匡 : July 9, 2009 10:49 PM

これですね、先週の日曜に旧・大黒葡萄酒工場跡の前の道で、お話していただいた集まりは。^^
「妖怪大戦争」というと、つい小学生のときに観た大映映画を思い出すのですが、講談にも同じ演目があるとは知りませんでした。ぜひ、聞いてみたいですね。戦前の妖怪・怪談モノといいますと、「みよし入道」に「ももん爺」「ももん母」が定番だったようですが、きっと現代講談は「油すまし」とか「砂かけ婆」とか、子供のころに人気のあった妖怪たちが登場してくるのでしょうか。

Posted by: Chinchiko Papa : July 9, 2009 11:41 AM

masaさん
あのプロフィールは、もしかすると一枚目のショットではないですか?撮る方も撮る方だが、撮られる方もすぐにいい表情になれるんですね。
「関宿」は、おっしゃるとおり必ずしも商売の足しになりはしないことにも一生懸命になるところがあると、ぼくも思います。しかし、食べさせるものもちゃーんと旨いモノを高くない値段で食わせます。チェーン店ばかりになってしまっても、頑張っていられるのは、それがしっかりしているからだと思います。
 masaさんといると、ついついぼくは自分で写真を撮るのを忘れてしまうのが難点です。

Posted by: 玉井一匡 : July 7, 2009 04:05 PM

玉井さん、今回も声をかけてくださいまして、ありがとうございました。なんだか、玉井さんが地道に築きああげられたご関係に乗って、うわずみ(一鶴師匠の写真)だけをすくわせていただいた気分です。玉井さんには、ほんとに、こんなことばかりさせていただいてます...。重ね重ね、ありがとうございます。
それにしましても、ご商売二の次...とはもうしませんが、席宿屋さんのように、地域というものを本気で考えてのビジネスを展開しようといいう方がいらっしゃるのですね。それを知り、その方の気概に触れたことも、今回の収穫になりました。
ほんとに、いろんな意味で、素敵な時間でした...。

Posted by: masa : July 7, 2009 01:41 PM
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