July 17, 2009

パンクドッグ

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 ぼくは入院も手術もしたことがない。かみさんの出産は別として、子供たちだって入院も手術もしていないのだが愛犬クーが手術で1週間ほど入院した。娑婆に帰ってくると、彼はすっかりパンクになっていた。頭は朝顔のように、下半身はオーブンに入れる直前の子豚の丸焼きのように剃りを入れて素肌が出ている。

 こいつはウチの中では決して排泄ができず、朝夕の散歩が欠かせないのだが、それがさっぱり出てこなくなった。道路に出るとすぐに蹲踞の姿勢になるけれど、以後はそのまま歩き続けるのに空振りに終わるようになって、ただの便秘ではなさそうだった。
かかりつけの動物病院に行くと、診察の結果、手術をすすめられた。直腸の一部が何カ所かふくらんで、(憩室というそうだ)中味がそこに溜まっていて出てこない。とりあえずそれは押し出したが、手術をしなければなおらないと思う。なかなか大きな手術になるので人手が足りないからと、古山先生は大学病院を紹介してくださった。

 数日後、武蔵境にある日本獣医生命科学大学の動物医療センターで1時間ほどの診察の結果、やはり手術が必要だという結論だった。
「直腸を支えている筋肉が、男性ホルモンのために劣化して隙間ができる。そのあいだから腸が膨らんで、そこに溜まってしまう。だから、その筋肉を取って近くの筋肉をもってきて腸を支えるように手術をする。再発を防止するために去勢もしたほうがいい」
クーには申し訳ないが心配より好奇心が先に立った
「どうして男性ホルモンで筋肉が劣化するんですか?」
「原因はまだわからないけれど、メスも若いときに去勢したオスも、こうならないんです。コーギーは、子犬の時に尻尾を切るからそれが筋肉の発達に影響しているかもしれません」
「筋肉ってのは、端を骨に固定されているんだと思いますが、移植する筋肉をどうやって骨につなぐんですか?」
「近くにある筋肉をつかいますから、端は骨についたままで筋肉を引っ張ってきて移動させるんです。」・・・なるほど

 数日後に手術。1時ころに始まって7時頃までかかり、1週間ほど入院した。
人間が勝手に胴長短足の体型の犬をつくり出し、おまけに何のためだか生まれたばかりで尻尾をちょん切ってしまうのだ。オスのコーギーにすれば迷惑なはなしだ。ぼくたちはそんなことは知らなかったなあと思うが、お医者さんだってまだよく因果関係がわかっているわけではないらしい。何億年もかけて到達した現在の生物を、短期間に力ずくで「改良」してしまえば、何らかの問題が生じるのは当たり前のことかも知れない。

 手術後に傷口をなめないように首につけられた「エリザベス」という邪魔者も、手術後10日でようやくはずした。(エリザベスという通称は、もちろんその昔のエリザベス女王の服装から来ているのだが、今の女王の愛犬はコーギーだそうだ。)おしりまわりはピンクの素肌が透けていたところは短い毛に覆われはじめた。そこはいずれ、もとに戻るだろう。
しかし、股間につけている空っぽの小銭入れのようなシロモノは、気の毒だが3次元には戻らないのだ。

投稿者 玉井一匡 : July 17, 2009 10:12 PM
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