September 12, 2009

カスク

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 もうだいぶ前のことだが、父の日に枕をくれるという。しかし、ぼくはすこぶる寝つきがよくて寝相がよくないから、せっかくだけれど枕というものがあまり役に立たないのだ。はじめの数分だけ頭を乗せているけれど、気がついたときには、とっくにどこにあるか分からなくなる。だからぼくは頭のためのものなら自転車用のヘルメットの方がいいと希望した。東急ハンズでみつけてたのがあるので、それをもらうことにした。フランスの三色などの鮮やかな色が多いが、ぼくは目立たない方がいいと思っていたので黒を注文した。

 いつ頃からあんなふうになったのか知らないけれど、いま使われている自転車用のヘルメットというのが、ぼくはどうにも気恥ずかしくてかぶる気がしない。だが、あれはおかしくないかという話をきいたことがないのはどういう訳だろう。あんなに後ろの方に頭を伸ばして、まるでエイリアンのようじゃないか。
頭のうしろに空気の渦ができないから空力抵抗が少ないんだという理屈だろうとは想像がつく。レースではエイリアン型(ぼくのつけた個人的な名称です)のヘルメットでないと認められないのだというが、いい歳のオヤジが日々の通勤につけるにはあまりに大袈裟で無粋だ。ぼくは60km/hで隣の自転車とコースの取り合いをするわけじゃない。

 ハンズで見つけたやつは商品名のように「カスク」と呼ばれていた。「カスク」というのは、フランス語で「ヘルメット」のことだよと村松潔さんに言われたとAKiさんにきいたことがある。スペルは「casque」で、自転車のヘルメットはcasque de veloというそうだ。veloは、自転車のことだ。
 「カスク」には、いくつもの長所と、ぼくにいわせればとるにたらない欠点がある。
長所は、①かさばらない ②しかも、こんな風に折りたたむことができる ③柔らかいので頭の形に馴染む ④だから帽子をかぶって、そのうえに「カスク」をつけることができる ⑤皮でできているから質感がいい・・・頭蓋骨をまもるには、エイリアン型におよばないのが欠点だけれど、エイリアン型だったらぼくはヘルメットを使わない。だから、多少はカスクのほうが着用したときの保護性能が劣るとしても、結果としては保護性能も優れていることになる。

 自転車ヘルメットの変遷については、wikipediaの「自転車用ヘルメット」という項目に懇切丁寧に書かれている。ここには、ヘルメット義務化と安全性についての項目もあって興味深い。歩行者の死亡事故のほうが、走行距離あたりにするとやや多いくらいだから、歩行者にヘルメットを義務化しないなら自転車だって義務化することはないという意見があることを紹介している。
 ところでボクシングの練習用のヘルメットのことを「ヘッドギア」というが、あれは正しい英語なんだろうかと気になった。wikipediaによれば、帽子からヘルメット、カツラや王冠にいたるまで、頭に載せるものはみんなHeadgearに含まれるようだ。これを日本語化したら「頭具」とでもいうのかな。

「casque de velo」/wikipedia(フランス語)
「Bicycle_helmet」/wikipedia(英語)
「カスク」取扱サイト

投稿者 玉井一匡 : September 12, 2009 11:34 PM
コメント
shinnさんへ オウムの連中のかぶっていたヘッドギアはボクシング用のものだと思っていましたが、何だったんだろうと思ってwikipediaを調べてみると、下記のような記述がありました。   *  *  *  * PSI(Perfect Servation Initiation)は、オウム真理教の修行の一つ。または、この修行の装置であるヘッドギアそのものを指す。 このヘッドギアは村井秀夫の発明品で、教団の説明によると、「ヘッドギアには電極が付いており、麻原彰晃の脳波を再現した数ボルトの電流を流すことで、麻原の脳波と自分の脳波を同調させるもの」とのことである。以前は電極を直接頭に貼り付けて電流を流していた。 実際は全く効能のないもので、一目でオウム真理教信者とわかる姿であり、教団のカルト性を端的に示す象徴にもなった。 レンタルは月額10万円、購入の場合100万円という多額の布施が必要であった。 Posted by: 玉井一匡 : September 28, 2009 03:36 PM
このカスク、ほとんどラグビーのヘッドギアです(耳を保護できませんが...) ラグビーの場合、主は白ですが黒いジャージのチームは大抵この皮の黒です 自転車では布のキャップしかかぶらない僕には、あの仰々しいのよりカスクかヘッドギアがいいかもしれません ところでalpshimaさん、谷垣さん個人的によく知ってますが凄いハードなサイクリストです、カスクではないけれど Posted by: shin : September 28, 2009 10:51 AM
alpshimaさん ぼくは、バンダナという選択肢を考えたことがありませんでした。冬は、毛糸の帽子をかぶっていますが、この季節はバンダナもいいですね。 硬式派のヘルメットのスリットは、ブッチャーの頭の傷跡のようだと思うと、ちょっとおかしくていいんですけど、自分で使う気にはなりませんね。 ところで、谷垣禎三がなかなか熱心な自転車乗りなのだそうですね。 Posted by: 玉井一匡 : September 24, 2009 12:55 PM
硬式派ばかりが走る多摩川などはまるで「きのこの園」みたいであります。私世代(団塊世代)は布派とでもいうか、バンダナ一枚派が多いのも不思議ですが、布一枚でも怪我の損傷は軽くて済みますし、なにしろ、硬式のうっとうしさは銀輪徘走の快適さを大幅ダウンさせています。クライミング用のヘルメットの方が洒落ていて、これを被るメッセンジャーが都心では目立ち始めました。 Posted by: alpshima : September 24, 2009 08:38 AM
AKiさん 予告編をちょっと見ただけでも苦しそうです。 空間が苦しいし、外の民間人たちを傷つけるのが苦しそうですね。 同じテーマでほぼ同じ時期に、いずれもイスラエルの中から占領政策に批判的な立場をとっている映画が作られたのですね。 パレスティナにもなんらかの形で共生が実現することに希望をもちたいものです。 「ワルツ・ウィズ・バシール (Waltz With Bashir)」のことを、本木雅弘は「イスラエルのアニメーションがアカデミー賞をもらうだろうと思っていた」と言っていました。 日本でのタイトル「戦場でワルツを」となって、10月からシネスイッチなどで公開するそうです。アニメーションでドキュメンタリーというはおもしろい試みですね。 http://www.waltz-wo.jp/ Posted by: 玉井一匡 : September 15, 2009 09:30 PM
その映画、面白そうですね。なんだか、息がつまりそうだけれど。 アカデミー賞にノミネートされていた「ワルツ・ウィズ・バシール (Waltz With Bashir)」もイスラエルのレバノン侵攻を題材にした映画ですね。 Posted by: AKi : September 15, 2009 08:30 PM
AKiさん なるほど。私のようなそそっかしいやつが戦車の中にいたらあちらこちらに瘤ができるでしょう。まして、突然の襲撃をうけることもあるでしょうし、そんなときに慌てたらどんなありさまになるものやら。 電話装置が必要なのは、広いからではなく機械の音がうるさくて会話なんか聞こえないからなんでしょうね。こんなことを書いているうちに戦車の映画が見たくなりました。「パットン戦車隊」とかいうのがあったなと思って検索したら、今年のヴェネチア映画祭で、戦車の中を舞台にした「レバノン」というイスラエルの映画が金獅子賞をもらったそうですね。 http://blog.livedoor.jp/hirobillyssk/archives/1538611.html Posted by: 玉井一匡 : September 15, 2009 04:39 PM
戦車兵は狭い鉄の箱の中で活動しなければなりませんから、自分の頭を保護する必要があります。又、車内連絡用の電話装置も付属しています。 航空機の乗員の場合も同じくですが、飛行帽といいましたが、第二次世界大戦以前は軟式、革製あるいは布製でしたね。 Posted by: AKi : September 14, 2009 08:55 AM
AKIさん なるほど、そういう経過だったのですか。じつはフランス語なんだよっていう外来語は、意外にすくないですね。 戦車兵はこんなものをかぶっているんですか、軟弱な感じがなかなか好感がもてます。戦車そのものが巨大なヘルメットみたいなものなのに、それでもヘッドギアなんてものが必要なんですか。 そういえば、紅の豚がかぶっていたのもどちらかというと軟式のようですね。 Posted by: 玉井一匡 : September 13, 2009 10:13 PM
自転車用のヘルメットは「カスク」という……てな話を村松さんにしたら、仏語でヘルメットの事だよ……と一蹴されてしまいましたですね。 エイリアン型は「硬式」、このカスクは「軟式」というようなものですね。ところで、ロシアの戦車兵のヘッドギアも、これに似た「軟式」です。 http://blogs.yahoo.co.jp/rein_desertfox/7518030.html Posted by: AKi : September 13, 2009 05:36 AM
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