August 19, 2009

MUTO:落書が動く

MUTO.jpgclick to see animation on YouTube.

妹の息子マックスが、「これ、すごく面白いよ」とYouTubeを開いて見せた。すでに500万ものアクセスがある。
レンガ塀に描かれた絵がアニメーションとなって動き出す。タイトルは「MUTO」、作者は「BLU」というのだが、個人なのか集団なのかわからない。
どういうやつがつくったのだろうかとGoogleを「BLU」で検索してみると、じつに162,000,000件もあるうちの2番目に「BLU」のウェブサイトがある。ノートの写真をクリックしてVIDEOのタグを選び「MUTO」をクリックすれば「MUTO」のページが開く。

そこにも作者について書かれているものをみつけることができなかったが、アニメーションについては、少しわかってくる。ブエノスアイレスとBADENでつくったというのだが、BADENがどこにあるのか、Googleマップでさがしてもわからない。

「AN AMBIGUOUS ANIMATION PAINTED ON PUBLIC WALLS」というのは、まちの壁に描いた絵が動き出す不思議なアニメーションといったところだろうか。AMBIGUOUSは、辞書には「多義的な」とか「両義的な」と書かれているのだが、はじめに見たときにぼくは、AMPHIBIOUS(水陸両用の)と読み間違えたのだが、壁にも天井もうごきまわる男は、ある意味では両生類(amphibian)だなと思ったからだった。

「 MUTO IS RELEASED UNDER COMMON CREATIVE LICENCE」は、 CREATIVE COMMONの間違いだろう。「利益を目的としてつくられたものではないから、商業的な目的(テレビチャンネルや商業目的のウェブサイトなど)でなければ、複製、転載は自由」と続けられている。ベルリンの壁がそうであったように、「壁」というのは向こう側とこちら側をへだてるのもである。それを自由に動き回ることによって、「隔てるもの」を、自在に移動するフィールドに変えてしまう。箱の中から人体が湧きだし、身体から身体が脱皮する。どこの面も、2次元と三次元の間も自在に動き回る。
だからやはり両生類じゃないかなと、ぼくは思ってしまうのだ。

「Creative Commons」/Wikipedia(英語版)
「クリエイティブ・コモンズ」/Wikipedia(日本語版)
「Amphibian」/Wikipedia(英語版)
バーデンWikipedia(日本語版)

投稿者 玉井一匡 : August 19, 2009 01:23 AM
コメント

kadoorie-aveさん
ワッハッハ、ぜひONE DAYで紹介してくださいと書きながら、ぼくもひとの紹介が続いたなと気づきました。
ほんとうに、あと片付けを考えるとうんざりするほど大変そうですね。
あと片付けをとどこおりなくやるには、事前の交渉をしておいた方がいいだろうし、かといってはじめから絵コンテなんかつくっていたら、こんなに意表を突く展開はうまれないだろうし、オモシロ大変というんでしょうかね、こういうの。
描くところを無料で公開して、そのかわり後片付けを手伝ってもらう。もしかすると、壁の持ち主が「このままのこしておいていいよ」なんていってくれるかもしれない。そういう巻き込み型アートは、kadoorie-aveさんは、得意そうだけど・・・・

そういえば、nOzさんのメールによれば、イタリアでは原状復帰すればいいということになったそうです。

Posted by: 玉井一匡 : August 29, 2009 07:38 PM

先日MyPlaceでMUTOのことを知ってから、何度も何度も繰り返し見ています。BLUのサイトもいいですね。ウェブながら、味わいがあってとても好きです。
私は「自分の手を動かして描く」という快感が好きなので、「描く」衝動の塊のようなこのアニメーションに、ドキドキします。今、世の中には「マーケティング」や「企画会議」「戦略」みたいなものが透けて見えるものばかり、溢れていておもしろくないのですが、「わあ、次はそうくるか!」と驚かせてくれる、このアニメは最高♪
香港のクリエーターの友人も、似たような作業(壁などに描いたものをアニメーションにするもの)をやっているのですが、MUTOは規模がすごい。絵も魅力的。ですが、その手間を想像すると気が遠くなりそうです。

それにしても、アニメを撮った後には、街に巨大ナメクジが這ったかのような、白い跡がずぅぅっとつくんでしょうか。なんだかそれも面白い。
このアニメーションを、私のブログでも是非紹介したいのですが、連日ほかの方のブログ記事を紹介(受け売り?)していて、いいのかなあ...と躊躇しています。でも、みんなに知らせたい。ああどうしましょ。

Posted by: kadoorie-ave : August 29, 2009 05:37 PM

shinさん
これは、はじめに絵コンテを描いて計画を立てたというのではなくて
壁を白く塗る→黒で絵を描く→撮影する→足許に印をつける→前の絵を白で塗りつぶす→絵を描く→・・・・
というのを繰り返してつくったのではないでしょうか
即興でなければ、この展開や動きのテンポができないような気がするのですよ。

Posted by: 玉井一匡 : August 27, 2009 08:44 PM

You Tube 久しぶりに堪能
BLUなるストリートアーチスト、すごい実力ですね
シュールだし展開が予想外だし時間という概念も不思議と崩壊します
失われた時を求めて....グレーな人を思い出します

Posted by: shin : August 27, 2009 01:48 PM

kawaさん
 これは、描くときの手間もさることながら、そのあとの原状復帰を考えると、それも大変だなあ。
 絵を描いて写真をとり、そのうえに白い絵の具を塗って次のコマを描いて写真を撮るというのを繰り返すのでしょうから、終わったあとには、部分的に白く塗った壁が残るはずですね・・・今度は、それをまた、洗い落とすという作業が残されるわけですね。
 視点の移動してるところをみると、カメラはきっと手持ちでしょうから、それも自分でやるんだとすれば・・・・ああ、オレにはやれない。

ユーリ・ノルシュテインが、大変な時間と手間をかけながらも、部屋にこもってひとりでやったのは、途中でどこかから横やりをいれられるのを避けたのでしょうね。

Posted by: 玉井一匡 : August 25, 2009 06:37 PM

普段意識する事もないのですが、クレイアニメなどを見ると、ほんの何秒かの動画の為に掛かる手間の膨大なことに気が付きます。
今回もその手間にあきれました。
ディズニーのような商業主義も含めて手間と時間を苦にしないアニメーター達に畏敬の念を持っています。
プリミティブではありますが、それ故にアニメーションの本質的な面白さがあると思います。
コマ数を減らしてアニメーターの犠牲を武器に世界を制覇した日本アニメには手放しで賞賛しかねる所があります。(賞賛すべき所もありますけど。)

Posted by: kawa : August 24, 2009 10:53 AM

nOzさんがメールで教えてくださったところによれば、「BLUはイタリア・ボローニャをベースに、今や世界で活動するストリートアーティスト」で、昨年のテートモダンでのストリートアート展にも参加していたそうだが、個人なのかグループなのかはさだかでないという。
テートモダン:http://www.tate.org.uk/modern/exhibitions/streetart/artists.shtm
nOzさんのブログ(KARAKARA-FACTORY):http://karakara.pepper.jp/blog/

Posted by: 玉井一匡 : August 20, 2009 04:04 PM
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