August 29, 2009

選挙2009

Senkyo2009S.jpg 先週の日曜日、友人の選挙事務所に行った。明日はもう投票日だ。
前回の郵政選挙に吹いた逆風のおかげで彼は4年間の浪人生活をしてきたから、今回は勝ってほしい。
ことは彼ひとりではない、これまでつづいた一党支配をこの機会に変えられないようなことがあれば日本の未来は暗い。だが、その2、3日前に電話で話したときに「上空にはいい風が吹いているが、地上にはまた別の風が吹くからなあ」というので、ぼくはちょっと心配になっていた。

 ぼくが着いたときにはもちろん候補者は出かけていて、事務所に残った人たちはそれぞれに電話をかけたりはがきを書いたりの作業にむかっている。
交換した 厨房の換気扇が効いているか気になったのをまずは点検。お勝手連のご婦人ボランティアがまかないを引き受けている。みんなは済ませたから昼食を食べないかとすすめられたので、よろこんでごちそうになった。チゲ、ネギのぬた、新生姜の酢漬け、タクアン、野沢菜などで満腹した。農家の人たちから野菜が差し入れられるのだ。かたわらのペットボトルに「食事の無料提供は禁じられているからご飯をたべたひとはカンパしてください」と書かれている。

  使わなくなった立て看板を並べて頭をつなぎ壁をつくってある。それで作業コーナー・打合室・応接コーナー・電話コーナーなどに分けた。立て看板には候補者の大きな笑顔、にぎやかなインテリアだ。その中央折りたたみ机を並べたところで、しばらくぼくははがきの宛名書きをしていた。やがて、候補者たちの一団がもどってきた。
 ひとやすみすると、夕方にもういちど回ってくるから一緒に行こうというので、宛名書きを中断してワンボックスに乗り込んだ。

 候補者が私鉄の駅前広場にマイクを持って立ち、乗降客に呼びかける。
幟をもつひとマニフェストを配る人、ぼくはマニフェストをかかえて、あたりを通りかかる人たちに手渡す。
「マニフェストです。読んでみてください」
いつまでも素人くさい選挙活動だが、それがいいのだと思いながら行き交う人たちに渡そうとすると、目を合わせないようにいそいで通り過ぎる人もいれば、もう一部くださいといって激励する人もいる。

 別の乗りかえ駅には昼過ぎに対立政党の党首が演説をして人をあつめたという、そこも回ってこようという意見で二つめの駅前広場にまわる。そこにはすでに別の党の候補が来ていた。
話し合いの結果、30分後に交代するということになったので、そのあいだにぼくたちのチームは軽のワンボックスをつらねて近くの住宅地の道路に入りこんでいった。
 そのわずか30分に、近寄って握手をして激励したり、手を振ったり、マニュフェストを求めたりしてくれることが10回ほどもあった。はじめは、知り合いなのかと思ったがそうではないらしい。宗教団体の動員でもなければ、ぼくはそんな光景を見たことがない。
 「地上では別の風が吹くからなあ」と、彼がいったのは杞憂だったのかもしれないと、ぼくは思いはじめた。

 駅前に戻ると、前の候補者が引き上げようとしていた。
ここでもぼくは、ロータリーをはさんで候補者から一番遠いところでマニフェスト配りをする。駅前を通り過ぎるひとたちに渡したいと思ったからだ。
ひとり、自転車にまたがって話をきいている坊主頭の若者がいた。腕に大きないれずみをしている。
「マニュフェストです。ぜひ読んでください」 彼は受け取りながら代わりに質問を返した。
「共産党と民主党はどう違うんですが?」・・・意表をつかれた。

 仕事がなくなってしまったので知り合いの人に相談したら、共産党に相談するといいと言われて行ってみた。役所に行って生活保護をもらおうとしたら、あちらこちらとたらい回しにされる。
あちこち行くには金がいるが、食べるものは食べなきゃならないから、それで金は減ってしまう。ここに「NPO」という看板があるのを見たので、何かしてくれるかもしれないと思って来たところだという。
「NPOって何ですか?」と、すぐ前のビルの1階に入っているテナントを指さした。

 「NPOというのは会社の一種で、社員に給料は払うけれど会社として儲けることでなく、ひとの役に立つことを目的とする。ここのNPOは、まちでイベントなんかをやるんじゃないかな。だから、そういう相談をしにいくには、ちょっと違うかもしれない。」
 とはいえ彼の疑問は、どこか大事なところを衝いていると感じたので、ぼくは共産党と民主党のちがいについても四苦八苦しながら説明した。

 小選挙区制のなかにあって、この選挙は実質的に民主党と自民党の二者択一となっている。民主党の勝利の気配がたちこめる現在、民主党と共産党はゆるやかな連携をとろうとしているようだ。だとすれば、対立する二極であるよりも補完的な二軸になろうとしているだろう。
自身の中にもさまざまな違いをかかえた連合体にとっては、選挙の勝利を手に入れたあとには、「反自民」という共通項の輝きがうすれるかもしれない。
 そのとき、他者のよろこびが同時に自分のよろこびになるような仕組みをもつ社会をめざせば、これまで続いた政権との違いがおのずとあきらかになるだろう。

マニフェスト/wikipedia
民主党マニフェスト

投稿者 玉井一匡 : August 29, 2009 11:59 PM
コメント

megさん
モンゴルの若い校長先生のことですね。

Posted by: 玉井一匡 : September 1, 2009 10:07 PM

こんにちは、突然のコメント失礼します。私は在外選挙にも行けなく、ネットで総選挙の結果をドキドキしながら見ていた若者です。
今、モンゴルにて青年海外協力隊として活動してます。
実はこの記事と関係がないことなのですが、以前お書きになった http://myplace.mond.jp/myplace/archives/000592.html
について連絡をとりたく、コメントいたしました。
詳細もお伝えせず失礼かと思いますが、どうか、メールを頂けないでしょうか。

Posted by: meg : September 1, 2009 07:28 PM

光代さん
 支持する市長さんたちが祝辞を述べましたが、さっそく厳しいあいさつでした。
「一休みしたいところでしょうが、明日からすぐに働いていただかなくてはなりません。(日本一料金が高いといわれている)北総線の料金値下げに取り組んでほしい。ひと休みはそれからにしてください」
なんて。

Posted by: 玉井一匡 : August 31, 2009 01:34 AM

iGaさん
週刊誌では、そう書かれていたんですか。知らなかった。
あのときに、皆さんとお会いしたんでしたね。
まだ、ほとんど開票されていない状態で当確なんて言われても、それは出口調査というサンプリングによるものなのだから、本人としてはまだ安心できなかったかもしれません。

Posted by: 玉井一匡 : August 31, 2009 01:06 AM

 iGaさん
そうでした!思い出しました。
とても爽やかな印象の方でした。

これからが 複雑で 身動きもしにくくて大変でしょうが
沢山の人の期待をになっているというのは やはり素晴らしい事。
根性を据えて頑張って頂きたいですね。

これからの応援は 責任感のある本気の厳しい意見ですね。
応援している人も 本気を問われる所ですね。
気持ちの良い事です。

Posted by: 光代 : August 30, 2009 10:48 PM

週刊誌の予測では苦戦となってましたが、早々と当確でましたね。おめでとうございます。
そういえば、光代さんが事務所に来られたとき、偶然若井さんも立ち寄られたのでしたね。

Posted by: iGa : August 30, 2009 09:17 PM

光代さん
長いコメントありがとうございました。
朝、娘といっしょに投票に行ってきましたが、いつもの選挙から比べれば、たくさんの人が来ているのでおどろきました。
行動したことが結果となってあらわれると思うと人が動こうとするのでしょう。すこしでも、世の中がよくなるように変化することを期待しつつ、われわれも行動していきましょう。

Posted by: 玉井一匡 : August 30, 2009 01:40 PM

「共産党と民主党はどう違うんですか?」
そんな質問 考えもつきませんね。
でも、そんな風に 今まで全く政治に興味のなかった若者が 多少なりとも関心を持たざるを得ない世の中になっているという事なのですね。事態は深刻。

でも、若者達が政治に関心を持っている。
それは 悪くない。

期日前投票が格段に増えている事から見ても 今回の選挙は今まで行かなかった人達も 選挙に行きそうな雰囲気ですね。

そう考えると 投票率を下げていたのは 自民党ではなくて「反対意見ばかりで 実際には何をしてくれるか分からない」としか思わせられなかった 野党側の責任は大きいと思います。
どの党も いつだって政権交代できる!!と思えるくらいの具体的な政策を打ち出して行くだけでも 選挙が活性化して、 政治も そして社会も変わって行くと思います。

Posted by: 光代 : August 30, 2009 08:07 AM
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