December 22, 2009

等々力渓谷から九品仏:第7回アースダイビング

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「第7回アースダイビング」は、等々力渓谷を起点に九品仏まで歩き、終点をBe-h@usと合同の忘年会とした。
今回もまた、ルートの提案から資料作成まで五十嵐さんに依存してしまい、その資料を読んで初めて知ったことが多かった。
・・・九品仏浄真寺は、江戸時代に奥沢城跡につくられたこと、その城の周りにめぐらされた堀を埋め立て、今では住宅地に変わっていること・・・いや、堀をつくったのではなく、川がふくらんでできていた池を利用して高台に城を築いたのだろう。
川と時代をさらに溯れば、等々力渓谷の谷沢川とこの九品仏川はつながっていたのも、五十嵐資料で知ったことだ。

 初めて等々力渓谷へ行ったとき、東京にかくも深閑たる渓谷があることに目を瞠ったが、その思いはまた変わらない。しかし、ひとつ、あたりまえだが新たに気づいたことがあった。谷というものは底が深いのではなく、周りが高くてはじめてできるのだということを、実感として気づいた。それも、地形の分かる地図を手にしながら歩いていたから分かったことだ。終着点の九品仏も、いろいろな意味で思いがけない寺だった。

ED7KuhonbutsuS.jpgClick to Jump to GoogleMaP
 九品仏浄真寺は、おもいがけず広い境内に独特の伽藍配置をもつ寺院だった。Googleマップの写真を見れば一目瞭然だが、本堂と向き合って東向きに三つの阿弥陀堂が並んでいる。それぞれの御堂に阿弥陀像が三体ずつならぶので、本堂の西方に阿弥陀さまが9人も勢揃いする。
立て札の説明によれば本堂の建つところが此岸、三つの阿弥陀堂が並ぶ側が彼岸と見立てている。
 三つならぶ阿弥陀堂と本堂の間の庭には桜の大木があって、春にはさぞ美しかろう。
しかし、此岸と彼岸をへだてる空間が、どうにも間が抜けているように思えてならない。
ここは池があるべきだ。池があれば、彼岸と此岸をへだてる。へだてられてこそ浄土の価値がたかまるというものだ。朝には水面が太陽の光を阿弥陀像に反射し、夕べには夕日が阿弥陀像の背後にまわって美しい浄土を現出させただろう。
 これだけの情熱を投じて寺と仏像をつくりながら、ここに池をつくらないということはありえないと思うのだが、インターネットで調べた限りでは、ここに池があったという記述は見つからない。またここに行って質問してみたい。

 三つの御堂は、上品(じょうぼん)・中品(ちゅうぼん)・下品(げぼん)という、往生のしかたの三つの段階に対応しているという。さらに、それぞれの品に上生・中生・下生という三つの段階があるから、ぜんぶで上品上生から下品下生までの九つの往生のありかた、つまり「九品」になるというわけだ。だからひとつの御堂に三体ずつの阿弥陀仏があって、あわせて九体の阿弥陀像がある。3×3で9を構成するというのは曼荼羅の構成と同じで、とてもわかりやすい。

京都の浄瑠璃寺には、やはり九体の阿弥陀像があると、立て札の説明にある。(九体の阿弥陀像、像をおさめる本堂は国宝)しかし、浄瑠璃寺公式サイトの写真によれば浄瑠璃寺の阿弥陀堂は三棟ではなく、池を前にして一棟に九体の阿弥陀像をおさめている。

■追記:アースダイバー
 アースダイビングは、中沢新一の著書「アースダイバー」にもとづいている。
アメリカインディアンのある部族の国つくり神話に、水中に長い時間潜っているカイツブリが水底から泥を持ち帰り、それによって国をつくったというものがあり、それをアースダイバーとよぶところから本のタイトルにした。
ちなみに、カイツブリは小さな水鳥なのだが、足は大きく平たくて、泳ぐには適している。
指と指の間をつなぐような水かきはないけれど一本一本の指がこんなふうに平べったくできている。しかも、それが身体の一番うしろについているので、歩くにはすこぶる不自由にできているし、水の上でも、きっとのんびり泳ぐよりも潜るのに向いているようだ。だから、歩いているカイツブリって見たことがないのだろう。

■関連エントリー
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投稿者 玉井一匡 : December 22, 2009 09:58 PM
コメント

iGaさん
九品仏に行ってみようとは、これまでも思ったことがなかったし、今回のことがなければ、これからも行くことはなかったでしょう。ありがとうございました。「谷沢川」も訂正しました。
地形といい伽藍配置といい歴史といい、とても興味深いお寺ですね。これまでは、ついつい殺人事件のことが先に思い浮かんでしまいましたが。
じっくり阿弥陀像も建物も見たいし、Googleマップをみたら、ぼくも参道をあるきたくなりました。初詣に行ってみませんかと言いたいところですが、新潟に行かなければならないのが残念です。

Posted by: 玉井一匡 : December 24, 2009 08:44 AM

玉井さんこんばんわ。
想像していた以上に九品仏浄真寺は良かったですね。あの阿弥陀堂が茅葺き屋根で寺の周囲の低地が湿地帯だったら...最高ですね。
そのうち、もう一度、日の高い時間に駅前の参道からアプローチしてみようと思います。

Posted by: iGa : December 24, 2009 01:25 AM
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