February 12, 2011

ファースト キッシュ と 壊れたモールトンの救いの神

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 きのう、初めてキッシュをつくった。
 ネット上にはたくさんのレシピがあるから、4つほどに目を通すと、それぞれに量や材料に違いがあるので、かえってつくりかたの幹と枝葉がわかる。ホウレンソウとチーズは冷蔵庫にあるが卵とベーコンさえ切らしている。生クリームもない。冷凍のパイシートはもちろんない。
 スーパーでシメジが安いのをみつけた。上にはアスパラガスとトマトを飾りたくなった。日本の農業のために野菜は国産を原則にしているけれど、ニュージーランド産カボチャがすこぶる安いのに抗いがたく、ポタージュをつくることにする。売れ残りのワゴンに乗っていたパプリカをサラダ用に。
 ポタージュをつくり、キッシュの中身を用意し、サラダもできたところでパイシートを伸ばしはじめたが、パイ型が大きすぎてパイシートに合わない。やむなく四角形の耐熱ガラスの皿を使うことにした。パイが湿っぽくなったことと丸い形でつくれなたったのは残念だが、味は家族の評判もすこぶるよかった。
 とはいえ、そもそもキッシュをつくろうという気分になったのは、壊れたモールトンに救いの神が現れてうれしくなったからで、ほんとうなら自転車に因んで円型にしたかった。

 以前、リアフォークのチューブが切れたときに代替部品を取り寄せてもらった和田サイクルに電話で相談したら、モールトンは大分まえモデルチェンジしたから今はもうAPBの部品はないかもしれない。それを調べたいから自転車をもってきてほしいというので現物をあずけておいた。
やはり取り替え用のリアフォークは輸入総代理店のダイナベクターにもないと電話があった。

 残念ながら、あずけてある自転車を引き取りに、西荻の和田サイクルに行った。
「溶接するしかないなあ」という和田さんに
「溶接できそうなんですか?」とたずねる
「職人さんの腕によりますけどね。・・・ラバネロか***かなあ?」と、和田さんは店の若い人に同意を求めた。(***は僕が忘れた。)
「前に、キャリアをつけるところがちぎれたのを直してもらったことがあるんで、まずは、そこに行ってみます」と僕は言った。塚原の自宅のそばの店だが、ぼくはもう場所を忘れたので同行してもらっていた。

QuicheRavanello.jpg 桜台の住宅街の真ん中にある自転車屋さんの看板を見ておどろいた。
 なんと「RAVANELLO」と書いてあるではないか。
 車から降ろした自転車を見てもらうと
「直りますよ、中に細いパイプを入れて溶接すれば、前よりむしろ強くなりますよ」平然と請け合ってくれた。
「このフレームは、博士のこだわりなんですね。ぼくなら、ここにこう補強をいれるな」という。捨てる神あれば拾う神だ。もしできないと言われたら、ものは試しだから自分でやってみようと思っていた。中にパイプを入れて接着した外側からFRPで包帯のように巻いてやるつもりだった。アフリカでつくられた竹の自転車を無印良品の展示で見たことがあった。それは、接合部をFRPで巻いてあった。

 あとになってネットで調べると、ここは「タカムラ製作所」というレース用自転車のフレームビルダーで、「ラバネロ」というのはここでつくられるフレームのブランド名であることを知った。いうまでもなく店のあるじは高村さんだ。彼自身が実績のあるトラックレーサーだったが、ロードレースのクラブチーム「スミタラバネロパールイズミ」も運営している。「スミタ」と「パールイズミ」は、スポンサーの名称だ。ラバネロとはイタリア語で二十日大根のことで、練馬大根に因んでつけられたそうだ。サラダにラディッシュを使えばよかった。

 あずけた翌日、携帯に連絡があった。
「自転車の修理ができました。日曜日は店は休みですが、高村はいますからお急ぎでしたら取りにいらしてください」
「もうできたんですか!すごくうれしい。どうもありがとうございました。ぼくはいま新潟にいるので日曜日には行けませんが、できるだけはやく行きます」と答えた。こんなに早く直してくれたのだから、すぐにも取りに行きたいのだが。
高村さん、ほんとうにありがとうございます。

■追記
How to Strengthen Rear Forks:モールトンのリアフォークに亀裂が入るのは、ぼくだけではなさそうで、こういうサイトがある。

投稿者 玉井一匡 : February 12, 2011 11:48 PM
コメント

いのうえさん
 どうも、おひさしぶりです。
 ぼくは駄洒落を始めたらいくらでも続けられるのです。駄洒落は流動的知性のトレーニングだと嘯いてね。「うそぶく」っていう漢字をしらなかったので試しに変換させてみたら、こんなむずかしい字なんですね。文字を拡大しないと見えないなあ。
修復した自転車で事務所まで行く途中で杏奴に寄ろうとしたら、ちょうど火曜日でおやすみでした。
ではまた杏奴で。

Posted by: 玉井一匡 : February 17, 2011 08:00 AM

玉井さんこんばんは。ファ-ストキッスって・・・と思いきや駄洒落でしたか~ 改造モ-ルトンで杏奴にお見えになるのを楽しみにしております。

Posted by: いのうえ : February 17, 2011 02:32 AM

masaさん
見ました。
ぼくがすでに知っているものをmasaさんが撮ったのを見ると
この写真があれなのか?と思い。
写真を見て、これはすてきだと思って行ってみると
それほどのことはないということが、よくあるのですが
かっこいい写真にしてくださってありがとう!
もし自転車に乗っていてはねられたら
かならずこの写真を使うように家族に伝えておきますから
その節はデータを貸してやって下さい。
楽しみです。

Posted by: 玉井一匡 : February 16, 2011 08:39 PM

玉井さん、昨日、ラバネロへ同行させていただいた際の写真を、勝手ですが、ブログにアップさせていただきました。URLはhttp://bit.ly/fMCSB3です。

Posted by: masa : February 16, 2011 02:48 PM

kawaさん
 レースチームのページによれば、パールイズミとはラバネロのレースチームのスポンサーなのだそうです。おっしゃるとおり、パールイズミは自転車レース用のユニフォームなどをつくっているメーカーで住田光学ガラスはレンズ用のガラスをつくっているのだそうです。
 kawaさんのSRのように、手をかけてやるほど愛情は深まりますね。それは、建築だってまちだって同じことなんでしょう。
高村さんは、チームの監督・コーチ・メカ、なんでも兼務らしいですよ。
http://www.ravanello.com/team/2005/modules/aboutteam/
http://www.pearlizumi.co.jp/index.html
http://www.sumita-opt.co.jp/ja/

Posted by: 玉井一匡 : February 15, 2011 01:22 AM

パールイズミには聞き覚えがあります。もしかしたら競争用自転車のウェアメーカーじゃないでしょうか。
もう十年以上前の話です。世界GPを目指す若者達が、ホンダ・ヤマハの市販レーサーに乗って、凌ぎを削るシリアスなレースとは別に、おじさんたちが道楽で集まるレースがありました。その内単気筒のヤマハSRを改造したクラスに出る人がいて、良く筑波まで手伝いに行きました。個人かせいぜいお店の道楽ですから資金力には限りがあります。そんな世界に到底個人の道楽とは思えないお金を掛けて参戦して来たおじさんがいて、確かパールイズミの社長と言っていた様に思います。今でこそ素人がピタピタのウェアでロードレーサーに乗っていても不思議は有りませんが、当時はそんな物を着ている人を見るのは稀でした。どうしてそんなに儲かるんだろうなんて思いました。
どうでも良い話を思い出しました。御免なさい。
ピカピカの新品より何か手を掛ける事で、人とは違う自分の物になるのは素敵な事ですよね。

Posted by: kawa : February 14, 2011 10:47 PM

そうなんですか、もうすでに三兄弟がまっているのですか!
ありがとうございます。安心して引き取ってきます。

 新しいリアフォークに取り替えるより、傷だらけのモールトンに乗っている方が玉井さんらしいなんていう向きもありました。じつはぼくもそうかもしれないと思っていたのですが、もしまだ残っているなら、とにかく手に入れておこうと思ったのです。結局は、こういうことになりました。
どんな風になっているのか、楽しみです。火曜日の午前中に行ってきます。

Posted by: 玉井一匡 : February 13, 2011 09:02 PM

さーて、コストコのライト……三個パックは用意してありますですよ。

Posted by: AKi : February 13, 2011 07:54 PM
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