August 08, 2011

福井県では「一家に一発 広島型原爆」:小出裕章氏の仙台講演から計算するとそういうことになるのだ

MyGenpatsu.jpgClick →仙台講演「3.11からはじまったこと」の録画/USTREAM

<この講演で示されたデータをもとに計算すると、原発の集中する福井県では、じつに県民3.7人あたり1発分ずつ広島型原爆の『死の灰』を持っていることになる>

 8月5日に仙台で開かれた小出裕章氏の講演「3.11からはじまったこと」をUSTREAMで見ることができる。前にエントリーした柳井市の講演から数ヶ月を経た小出氏の講演は、原発そのもののわかりやすい説明から入ることに変わりはないが、その後の状況の変化や仙台が地震の被災地であり福島原発の隣接県であることを踏まえて、汚染や廃棄物についての話に重点がおかれている。さらに、核エネルギーがとてつもない大きく、つくり出す廃棄物が目もくらむほどの長い年月にわたり放射能をもつので、かえってぼくたちは実感をもちにくい。その問題を克服するために、小出氏は表現や尺度にさまざまな工夫をこらしている。
  
 たとえば、放射性廃棄物が無害になるまで100万年かかるという政府の資料を示し、100万年という時間がどれほどの長い時間であるかを、人類の歴史をたどることで示す。また、廃棄物の量について説明するときに示される尺度が、実感として分かりやすい。広島型原爆1発のまき散らした「死の灰」を尺度にするのだ。

 日本で使った核燃料の残した放射性廃棄物の総量は、広島型原爆85万発分の「死の灰」に相当するという。といってもまだ実感としてわかりにくいが、日本人全体でそれを分けるとすれば、150人に1発ずつの広島原爆の「死の灰」が届けられることになるというのだ。そう聞くと、にわかに具体性を帯びる。講演会場に集まっていた人がおよそ300人だから、そこに2発の原爆が割り当てられるのだ。正確に言えば、会場にいるひとたちに原爆2発分の「死の灰」に相当する量の放射性廃棄物を、日本人は抱えているということだ。
 それは、現在ただちに全ての原発を止めたとしての話だから、もしこれからも使い続けるなら、原発1基が1年ごとに広島型原爆1000発分の「死の灰」をつくり出してゆく。これだけのものを、20万年とか100万年というとてつもなく長い時間にわたって人間が近づかないように、地震、水、化学物質、腐食などの影響を受けないように保管しなければならないのだ。
それでもやはり原発を続けたいという人がいるのだろうか?

GenpatsuWakasawan.jpgClick to open GoogleMap
 あとになって考えると、この数字は日本全体で山分けした場合のものだが、じつは原発が集中しているところがある。もし、若狭湾のある福井県で計算したらどうなるか気になった。福井県の人口はわずか806,000人。(都道府県の人口一覧/wikipedia)若狭湾に密集する原発は、敦賀2、美浜3、大飯4、高浜4基もあって、すべて関西電力のもので合計13基、もんじゅを加えれば日本全国の55基のうち14基が、この美しい湾にある。(日本の原子力発電所/wikipedia)
 これをもとに福井県にかぎって計算して、ぼくは唖然とした。

 *広島型原爆1発あたり換算の人口は:806,000人÷(850,000×14/55)=3.7人
 つまり福井県では、3.7人に1発分ずつの広島型原爆が割り当てられることになる。「一家に1発、広島型原爆」という原爆が家庭電化機器のようになる恐るべき話だ。人口1300万以上の東京にはひとつもない。同じく大阪、愛知にも、神奈川、千葉にもゼロだというのに。福井県人よ、かくも莫大な危険を押しつけられてきたのだ。逆にいえば、ぼく自身も含めて東京都民は福島や柏崎に危険を押しつけてきたのだ。

*私は計算間違いをよくするので、できれば上記の講演で示される資料に基づいて、ご自分で計算して確認みてください。間違っているようでしたらご指摘ください。間違いであればいいと思っているので、よろこんで訂正します。

投稿者 玉井一匡 : August 8, 2011 01:30 AM
コメント

吹田市在住のご隠居さま
 おっしゃるとおり、私は二酸化炭素が温暖化をひきおこしているという説がひろまった背後には原発を推進しようとする人たちがいると考えています。
はじめは、2007年の正月にNHKで小説家マイクル・クライトンのインタビューを放送したときに、彼が「恐怖の存在」という小説について話し、二酸化炭素が温暖化の原因だときめつけることの問題を指摘したときでした。
*そこで、「『不都合な真実』と『恐怖の存在』」をこのブログにエントリーしました。 http://myplace.mond.jp/myplace/archives/000356.html
このときは、まだ『恐怖の存在』を読んでいませんでした。読むと、何を言いたいのかは初めから分かっていることもあって、小説としては冗長に感じましたが、問題点はよく理解できました。
*その後、昨年2月に広瀬隆氏の著書『二酸化炭層温暖化説の崩壊』についてエントリーしました。 http://myplace.mond.jp/myplace/archives/000677.html
広瀬氏は、センセーショナルな語り口で二酸化炭素が温暖化の原因だときめつけることは間違っていると指摘しましたが、著者自身もそこで書いているように彼の主張の大部分は、赤祖父俊一氏の考え方によるものでしたから
*続いて赤祖父氏の著書『正しく知る地球温暖化―誤った地球温暖化論に惑わされないために』についてエントリーしました。http://myplace.mond.jp/myplace/archives/000694.html

 赤祖父氏はさまざまな温暖化の要因を挙げた上で、二酸化炭素が原因のひとつであることを否定はしないが、世界中のコンピュータを動員したからといってシミュレーションによる予測は、いくつかの仮定にもとづいてなりたっており完全なものではないのに、それを学界できちんとした論議の俎上に上げさえしないうちに政治的な対策を急いでいることは間違いだと指摘しています。
 本の終わりの方で、ごく控えめに、二酸化炭素の温暖化原因説とIPCCの背後には原子力産業がいるという見方もあるということが書いてあります。

Posted by: 玉井一匡 : August 23, 2011 07:48 AM

地球温暖化は真に起こるのか専門家の意見を調べてください。地球は過去10万年ごとに温度が上昇下降しており(実際のデータが存在する)今はちょうど温暖化の時期に当たります。
すがめですが、地球温暖化で利益の上がる個人や団体がなにかを画策しているとの意見もあります。ちょうど犯罪捜査のセオリーのように(Θ_Θ)

Posted by: 吹田市在住の隠居 : August 22, 2011 10:11 PM

senrinoinkyoさま
 これまで蓄積したものだけでもこれほど沢山の廃棄物があるんだから、大変なことだと思いますが、それらを無害化させることができることになればありがたいですね。しかし、べつの物質に変化させるということはその過程で大きな熱や放射線を放出するのでしょうね。そのエネルギーと、7割が海や川に捨てられるという熱エネルギーも利用できますね。
 地震国日本は、原発をやめるにしても、やめたくない他の国はその技術を利用するのでしょう。

Posted by: 玉井一匡 : August 18, 2011 11:54 AM

核物質の無害化は可能です。核反応等を用いて無害化かもしくは非常に短期の半減期の物質に変化させることが出来ます。ストロンチュウームやセシウムにも非放射性や短半減期の同位元素があります。原子核工学の学徒は頑張るべし!!

Posted by: senrinoinkyo : August 16, 2011 11:56 AM
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