October 19, 2011

ちぎれたサドル

SaddleS.jpgClick to PopuPSaddleNS.jpg
 またしてもあいつがモノをこわしたというエントリーかと嬉しがる皆さんの表情が目に浮かぶが、今度ばかりは壊れたとはいえ天寿を全うしたのだと胸を張りたい。
雨の降らない日は毎日のように、十数年にわたって70kgをささえつづけた自転車のサドルが、とうとう壊れたのだから。とはいえ、新旧2つのサドルの写真を並べると、ずいぶん情けない姿になっている。

 サドルの一枚皮をフレームに固定するピンが、前に3本うしろに6本あるのだが、そのうち前の3つのピンの穴すべてで皮がちぎれてしまった。自転車の折れてしまったフレームを溶接してくださったタカムラ製作所の高村さんには、そのときサドルを見ながら「これもすごいなあ」と言われた。「スルメのようだ」と言われたのは秋山さんだ。なんとでも言うがいい、たしかにスルメだがオレはこのサドルを愛しているのだと内心で思ってぼくは鷹揚に微笑むのだった。
新しいやつをamazonに注文したのが宅配便で届けられたので2つを並べてみると形といい色といい、初めはこんなだったのかと驚いた。

 いまのサドルは、プラスティックやプレスした鉄板をクッション材と薄い皮や人工皮革でくるむという作り方が多いが、1866年創業のBROOKSのサドルは、厚くて固い牛革一枚をプレスしたものをスティールのフレームに張るという仕組みを今も守っている。たとえば弓に弦を張るような仕組みだから、皮は前後に引っ張られるのだ。丈夫なものではないか。

SaddlesBackS.jpgClick to PopuP BROOKSのサイトを開いてみると、トップページのFEATURED CONTENTという欄に44 YEARS IN USEというサドルの写真があった。ウィークデイに毎日12km走ったと書いてあるから、44年間の走行距離は12*5*52*44=137,280km。走行距離でいえばわがスルメサドルの2倍くらい走っている。ぼくは自転車を雨にさらしたのは2、3回くらいしかないが、皮の表面には細かにひび割れがはしっている。ロバート・レッドフォードの顔の肌を「亀の甲羅みたい」だと口の悪いおすぎが言うけれど、ちょっとそんな感じになった。
 しかし44年モノの表面をみると、まだまだ使えそうだ。これはサドルの後側にコイルスプリングがついているタイプだから振動を吸収する。だから、皮にかかる引っ張り力は大分おだやかになるが、スポーツタイプのサドルは、おそらくピンと張った皮そのものがわずかに伸縮して振動を吸収するのだ。
それを思えば、10数年間を耐えてくれたことにご苦労さんと言おう。

投稿者 玉井一匡 : October 19, 2011 11:23 PM
コメント

AKiさん
いや、わたしが自転車泥棒なら、両方とも持っていきます。
馬子にも衣装と言うではありませんか。

ところで、モールトンのサイトでM60を見てみました。
ご存じでしょうが、日経トレンドに、この変速機を搭載した自転車の詳細なレポートが出ていますね。さすがにハブの巾はかなり広いようですね。
なんとこの自転車は、BE・ALL(アキ・コーポレーション)というそうで。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20111005/1038186/?ST=life&P=1

Posted by: 玉井一匡 : October 20, 2011 09:29 PM

まぁ、サドルしか持っていかないから……、大丈夫。前の状態では、サドルは外して持っていったでしょうね。

Posted by: AKi : October 20, 2011 01:50 PM

masaさま

干しイチジクですと?
なるほど、スルメにしろイチジクにしろ、干物ですね。
そうですね、干物の通例としてかつての3次元から2次元に変形しました
じつは走っているとどうもケツが遺体、いや痛いと思って
信号で停まったときに点検してみると
サドルのフレームの上に皮が一枚のっているという状態なのでした
これじゃあ痛いわけだ、替えなければなるまいと思ってBROOKSのサイトとネットショップを見ました。
けっきょく、amazonの「商品券」が少しあったのでamazonで買いました
放置自転車のようだから盗難の心配はないなどとひどいことをおっしゃる方もおられましたが
こんなきれいなサドルだと、こんどは盗難が心配です

Posted by: 玉井一匡 : October 20, 2011 12:18 PM

AKiさま
 モールトン博士のSIRIの下のサドルに「BROOKS」の文字が、くっきりと光っていたのが脳裏に焼き付いています。あのあとすぐに、私はBROOKSのサドルに取り替えたのでした。
あれがそんなに年季が入っていると思うよりも、むしろ私は早く私もあのようなサドルにお尻を載せたいと思ったのでありました。
あたらしいサドルはまだまだ矯正されていませんが、それはそれで初々しさが愛おしいものです。

Posted by: 玉井一匡 : October 20, 2011 11:57 AM

「あ、干しイチジク?」と思ってクリックすると、なんとサドルではりませんか...。変わり果てた...とはこういうことを言うのですね(^^;
ところで、「サドルが天寿を全うしたのだ」と胸を張っていらっしゃる先輩に何ですが、サドルって、フツーは、こうなる前に点検交換するものだと思います。乗っていてちぎれる...なんてのは、やはりさすがは玉井さん...と言わざるを得ませんっ!(^^;

Posted by: masa : October 20, 2011 11:28 AM

やぁ、よく使われましたですね。
八ケ岳でのモールトン・ミーティングにこられたモールトン博士のサドルもすごかったなぁ。サドルだけはご自身の SIRI に馴染んだ物を持参されたということだったが、スルメ化すると同時にクサヤ化もしていたのではないか……。

Posted by: AKi : October 20, 2011 10:37 AM
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